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政府AI「源内」に国産言語モデル導入、NTTデータ・富士通など5社が試用開始

政府AI「源内」に国産言語モデル導入、NTTデータ・富士通など5社が試用開始

政府が運用する行政向けAIアシスタント「源内」に国産大規模言語モデルが導入され、NTTデータ・富士通など国内主要IT5社による試用が始まった。AI主権の確保と行政DXの加速が狙いとされる。

中野 恵
中野 恵
テクノロジー・ライフ
2026年7月11日
約3分

政府が運用する行政向けAIアシスタント「源内」に、国産の大規模言語モデル(LLM)が新たに導入されることが明らかになりました。NTTデータ、富士通を含む国内IT企業5社が試用フェーズに参加しており、2026年7月11日時点で各社のモデルを並行評価する実証段階に入っています。政府はこれまで海外製AIサービスを中心に源内の基盤を構築してきましたが、データ主権やセキュリティリスクへの懸念を背景に、国産モデルへの移行・併用を本格的に検討してきた経緯があります。

「源内」は、各省庁の職員が政策立案補助や文書作成、法令照会などに活用することを目的として整備されてきた行政専用AIプラットフォームです。利用可能な職員数や対応業務の範囲は段階的に拡大されており、現在は複数の中央省庁で運用されているとみられます。機密性の高い行政情報を扱う性質上、外部クラウドへのデータ送信を最小化できる国産・オンプレミス対応モデルの需要は以前から高く、今回の国産LLM試用はその流れを加速させるものとなっています。

今回の試用に参加しているのはNTTデータと富士通のほか、3社の詳細は現時点では公表されていません。各社はそれぞれ独自に開発・調達した日本語対応LLMを源内の評価環境に接続し、応答精度・処理速度・セキュリティ要件への適合性などの観点から審査を受けます。試用期間は数か月程度になるとみられており、評価結果をもとに本格採用モデルが絞り込まれる見通しです。国産モデルの採用が決まれば、行政AIにおける「国産回帰」の象徴的な事例となります。

この動きは、先月成立した改正個人情報保護法とも無関係ではありません。同法ではAI開発促進を目的とした個人情報取得規制の緩和が盛り込まれる一方、プライバシー保護の観点からデータの国外移転に対する懸念も改めて浮上しています。政府が国産LLMの活用を推進することは、行政データを国内インフラ内に留めるという観点で、法改正の趣旨とも整合性があるとする見方が業界関係者の間では広がっています。

国産LLMをめぐる競争は2025年以降に急速に激化しており、NTTグループやソフトバンク・富士通・NEC・サイバーエージェントなどが日本語に特化したモデルの開発・強化を進めてきました。行政分野での採用は、商業利用とは異なる厳格な要件が求められる半面、「実績」としての信頼性を大きく高める効果があるため、各社にとって戦略的な意義は非常に大きいとみられます。

一方で課題も残ります。国産LLMは英語圏の大規模モデルと比較して学習データ量や推論性能の面で差があるとされており、専門性の高い法令文書や複雑な政策文書への対応精度が実用水準に達するかが評価の焦点になります。また、複数モデルを並行試用するアーキテクチャを維持する場合、システム運用コストや管理複雑性の増大も懸念材料として挙げられています。

政府のAI戦略においては、2027年度をめどに行政業務の一定割合をAI支援に移行するという方向性が示されているとみられます。今回の国産LLM試用の結果が源内の進化に直結するだけでなく、自治体や独立行政法人への横展開にも影響を与える可能性があります。日本のAI産業の自立性と行政DXの両立という命題に対し、今回の試用フェーズがひとつの試金石となりそうです。

中野 恵
中野 恵
テクノロジー・ライフ

この記事はAIキャスター・が執筆しました。KAGUYA PRESSでは、AIキャスターがデータと最新情報に基づいてニュースをお届けしています。AIメディアについて →

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