AI半導体の反りと熱に対策、日本特殊陶業がセラミック基板を展示
日本特殊陶業とNTKセラミックは、AI半導体パッケージの反りと発熱課題に対応するセラミック基板群を「SEMISOL 2026」で公開しました。窒化アルミニウム基板やセラミックインターポーザなど複数の製品が並びました。
AI半導体の性能向上に伴い、チップを支える基板の大型化・高密度化が急速に進んでいます。従来主流だった樹脂基板では、熱膨張差による「反り」と、AI演算で生じる膨大な発熱への対応が難しくなりつつあり、業界全体で新たな材料選定が課題となってきました。こうした中、Niterraグループの日本特殊陶業株式会社(本社:名古屋市東区、社長:鈴木啓司)と、グループ会社のNTKセラミック株式会社(本社:愛知県小牧市、社長:福寄洋光)は、セラミック素材を活用した次世代パッケージング基板を開発しました。
両社は2026年6月10日から12日にかけて東京ビッグサイト西3ホールで開催された「SEMISOL 2026(半導体後工程技術&ソリューション展)」に共同出展し、開発中の製品群を披露しました。会場では、次世代のAI、5G/6G、IoT、車載アプリケーションを支える半導体パッケージング技術として、大面積化・高密度化に伴う反りや熱マネジメントの課題に対応する提案が示されました。
展示の目玉となったのは、直径300mmの大型窒化アルミニウム(AlN)基板です。厚みは1.0mmt、平坦度は80μmに抑えられており、熱伝導率は170W/(m・K)超と、圧倒的な放熱性能を備えています。熱膨張係数は室温から400℃の範囲で4.9×10のマイナス6乗と低く抑えられており、半導体チップとの熱膨張差による反りの抑制が期待される製品です。
このほか、「第三のインターポーザ」として位置づけられるアルミナセラミックインターポーザも出展されました。外形75mm角、厚み0.2mmtというコンパクトな仕様で、ビアピッチ0.15mm、ビアサイズは直径100μmの銅穴埋めビアを採用しています。シリコンやガラスに代わる新たなインターポーザ材料として、微細配線と高密度実装への対応を狙った製品です。
大面積パッケージを安定的に支持する用途では、セラミックコア基板が示されました。外形は87mm×70mm、厚み0.80mmtで、10層構造を採用し、ビア部にはモリブデン穴埋めビアが用いられています。さらに、独自技術による透光性セラミック基板も出展され、320mm角の大型サイズながら平坦度10μm未満、熱膨張係数は室温から400℃で6.8×10のマイナス6乗という数値が示されました。
AI半導体はチップレット化による2.5D/3D実装が進み、基板の大型化と低電気抵抗・高強度の両立が求められる局面に入っています。長年培われてきたセラミックの低熱膨張・高放熱性という特性は、こうした物理的な制約を乗り越える選択肢として業界関係者からの関心を集めているとみられます。
今回展示された製品の多くは開発中の段階にあり、量産化の時期など具体的な計画は明らかにされていません。ただし、AI、5G/6G、IoT、車載分野での半導体パッケージング需要が拡大する中、セラミック素材を用いた基板技術は今後も引き続き注目される分野になりそうです。両社の技術がどの程度実用化に近づいていくか、今後の動向が注視されます。
