SNS偽情報対策を義務化、改正2法が成立 2027年春の統一地方選から適用へ
SNS上の偽情報・誤情報に対する対策を事業者に義務づける改正2法が成立した。2027年春に予定される統一地方選挙から適用される見通しで、選挙期間中のデジタル情報空間の健全化が期待される。
SNSにおける偽情報・誤情報の拡散に歯止めをかけるため、プラットフォーム事業者への対策を義務づける改正2法が2026年7月13日、成立した。2027年春に実施される予定の統一地方選挙から適用される方針で、デジタル空間における選挙の公正性を守る制度として注目を集めています。
今回成立した改正法は、SNSなど大規模なプラットフォームを運営する事業者に対し、選挙期間中に拡散する偽情報・誤情報への対応策を講じることを義務づけるものです。具体的には、虚偽情報と判断されるコンテンツへの警告ラベルの表示、拡散防止のためのアルゴリズム上の措置、および削除・非表示対応の迅速化などが求められるとみられています。
背景には、近年の国政・地方選挙において、SNS上での根拠のない情報や候補者に関する誤情報が急速に拡散し、有権者の判断に影響を与えるケースが相次いだことがあります。特に2025年以降、短尺動画や生成AIを活用したフェイク動画の作成・拡散が技術的に容易になったことで、偽情報対策の緊急性が一段と高まっていました。総務省の推計によれば、直近の国政選挙において偽情報に関連するコンテンツの報告件数は従来比で大幅に増加したとされています。
法整備をめぐっては、表現の自由との兼ね合いや、「偽情報」の定義をどう設定するかをめぐって国会内でも議論が続きました。一部の野党からは、政府や事業者による情報の恣意的な削除につながりかねないとして慎重論も出ていましたが、最終的には附帯決議に運用基準の透明性確保や第三者機関による監視体制の整備を求める内容が盛り込まれる形で、成立に至りました。
対象となるプラットフォーム事業者の範囲については、国内外の大手SNS事業者を念頭に、利用者数や情報流通量を基準として政令で定める方向とみられています。義務違反が認められた場合には行政指導や勧告の対象となる可能性があり、今後策定される具体的なガイドラインの内容が注目されます。
適用される2027年春の統一地方選挙は、全国の知事・市区町村長・地方議会議員の選挙が集中して行われる大規模な選挙サイクルです。4年に一度の節目にあたるこの選挙での制度の実効性が問われることになり、専門家の間でも運用の実態を注視する見方が広がっています。
今後は、総務省を中心に具体的な運用基準やガイドラインの策定作業が本格化する見通しです。法の実効性を左右するのは制度の枠組みだけでなく、事業者との連携体制や違反事案の認定プロセスの透明性であるとの指摘も出ており、2027年春の統一地方選挙までに実効ある体制が整うかどうかが、制度全体の信頼性を左右する重要な焦点となりそうです。
