副首都法案、今国会成立「不要」が6割 大阪府内でも賛否割れる 朝日世論調査
朝日新聞の世論調査で、副首都法案の今国会成立を「不要」とする回答が約60%に達したことが明らかになった。法案推進の中心地である大阪府内でも5割が慎重姿勢を示しており、政府・与党の国会戦略に影響を与える可能性がある。
朝日新聞が実施した世論調査によると、現在国会に提出されている副首都法案について、今国会での成立を「不要」と答えた回答者が全体の約60%に上ることが明らかになりました。一方で成立を「必要」と答えた回答者は30%台にとどまっており、世論の慎重論が数字として鮮明に示された形です。
特に注目されるのは、副首都構想の発祥地であり、推進派の政治基盤が強いとされる大阪府内においても、約5割が「不要」と回答した点です。大阪では長年、大阪維新の会を中心に副首都・大阪の実現が政治的な主要テーマとして掲げられてきた経緯があり、地元の世論においても賛否が大きく割れていることが浮き彫りになりました。
副首都法案は、東京一極集中の是正や首都機能のバックアップ体制整備を主な目的として、大阪を副首都と位置づける法的根拠を設けることを目指すものです。高市早苗総理大臣が率いる自民党政権のもとで議論が加速しており、国旗損壊罪の創設を含む一連の法制度整備とともに、今国会の重要法案の一つとして位置づけられてきました。
法案をめぐっては、首都機能の分散による行政効率の低下を懸念する声や、「副首都」の法的定義や権限の曖昧さへの批判が専門家・有識者の間から以前より指摘されてきました。また、財政面での負担増加を懸念する意見も根強く、国民の間での理解醸成が十分に進んでいないとの見方もあります。
与党内では、今国会での成立を目指す積極派と、議論を慎重に積み重ねるべきだとする慎重派の間で温度差があるとも報じられています。世論調査の結果は、今後の国会審議の行方や会期末に向けた与党内の法案調整に少なからず影響を与えるとみられます。
今国会の会期は残りわずかとなっており、会期末に向けた国会運営のスケジュールはすでに厳しい状況にあるとみられます。世論の過半数が慎重姿勢を示す中、政府・与党が今国会での成立を強行するのか、あるいは継続審議として次国会以降に持ち越すのかが焦点となります。副首都構想の行方は、今後の日本の国土政策や地方分権議論にも直結するテーマであり、引き続き国民的な議論が求められる局面が続きそうです。
