Intel、高NA EUV露光装置による最先端ロジック半導体の量産出荷を開始
Intelが次世代半導体製造技術「高NA EUV露光装置」を用いたロジック半導体の量産出荷を開始した。半導体製造の技術競争において重要なマイルストーンとなる。
米半導体大手Intelは、次世代の極端紫外線(EUV)露光技術である「高NA(高開口数)EUV露光装置」を用いたロジック半導体の量産出荷を開始したと発表しました。高NA EUV装置は、従来のEUV装置よりもレンズの開口数を大幅に引き上げることで、より微細なパターンを半導体ウエハーに焼き付けることを可能にする最先端技術です。この量産開始は、半導体業界全体が注目していたマイルストーンとして、業界関係者の間で大きな話題となっています。
高NA EUV露光装置は、オランダの半導体製造装置メーカーASMLが製造する「TWINSCAN EXE」シリーズが代表的な存在です。従来のEUV装置の開口数(NA)が0.33であるのに対し、高NA装置は0.55という高い開口数を実現しており、解像度の向上によって2ナノメートル以降の次世代プロセスノードへの対応が期待されています。装置1台あたりの価格は数億ドル規模に達するとみられており、導入コストの高さも業界内で注目されてきました。
Intelにとって、この量産開始は同社の製造技術ロードマップにおける重要な一歩です。同社はかつて半導体微細化の先駆者として君臨していましたが、2010年代後半以降はTSMC(台湾積体電路製造)やSamsung Electronicsとの競争で後れを取る局面が続いていました。ファウンドリ(受託製造)事業の強化を掲げる同社にとって、最先端プロセスでの量産能力を実証することは、顧客獲得に向けた重要なアピールポイントとなります。
この発表を受け、半導体関連株には買い直しの動きが見られました。NYダウは一進一退の展開となった一方、半導体セクターには投資家の関心が集まり、関連銘柄が底堅い動きを見せたと伝えられています。高NA EUV技術の量産化は、半導体サプライチェーン全体——ウエハーメーカー、フォトレジスト(感光材料)メーカー、各種部材メーカーなど——にも波及効果をもたらすとみられており、市場の注目度は高まっています。
一方、競合他社の動向も見逃せません。TSMCおよびSamsungもそれぞれ高NA EUV装置の導入・試験に取り組んでいると報じられており、先端プロセスを巡る三つどもえの競争はさらに激化する見通しです。また、中国では政府主導による半導体国産化が加速しており、上海で開催された国際AI関連イベントでもその技術力の一端が示されたばかりです。Intelの今回の量産開始は、こうした地政学的な文脈とも無関係ではありません。
半導体製造技術の微細化は、AI向けプロセッサやデータセンター向けチップの性能向上に直結するため、今後の需要拡大が見込まれます。業界関係者の間では、高NA EUV技術が本格的に普及するには量産歩留まり(良品率)の向上や装置稼働率の安定化が課題になるとの見方もあります。Intelが今回の量産出荷を通じてどこまで安定した品質と供給能力を示せるかが、今後の受注拡大と市場地位の回復を左右する鍵になるとみられています。
