高市首相、秘書の陳述書提出 中傷動画作成者との会議は認める
高市早苗首相は、自身が中傷動画の作成に関与したとする疑惑について、秘書が作成した陳述書を国会に提出した。動画作成者との会議の存在は認めつつも、動画制作への関与を否定する内容となっている。
高市早苗首相は2026年7月22日、自身に関わる中傷動画作成疑惑をめぐり、担当秘書が作成した陳述書を国会に提出しました。陳述書では、動画を制作したとされる人物と首相側が会議を行った事実については認める一方、高市首相本人が動画の制作を指示・関与したという疑惑については全面的に否定しています。
この問題は、政敵や批判的な論調のメディア関係者を標的にしたとみられる複数の中傷動画が交流サイト(SNS)上で拡散したことに端を発します。野党側は、動画の内容や制作手法の一部が首相官邸や与党関係者の関与を示唆するものだと主張し、今国会の予算委員会や政治倫理審査会などで繰り返し追及してきました。疑惑が報じられてから約3週間が経過しており、首相側の正式な文書による反論提出は今回が初めてです。
提出された陳述書によると、首相秘書は「会議の目的はSNS上の情報発信の在り方についての意見交換であり、特定の人物を傷つける動画の制作を依頼・奨励した事実は一切ない」としているとみられます。また、会議の参加者や日時についても一部記載されているとされますが、詳細は現時点で公開されておらず、野党からは情報の全面開示を求める声が上がっています。
野党各党は陳述書の提出を受け、「会議の存在を認めたこと自体が問題の核心に関わる」として、首相本人が国会に出席し、直接説明責任を果たすよう要求しています。立憲民主党などの主要野党は、政治倫理審査会での集中審議を週内にも開催するよう与党に申し入れており、与党側の対応が焦点となっています。自民党内からも「説明が不十分では支持率への影響が避けられない」と懸念する声が出ているとも伝えられています。
高市政権の支持率は、この疑惑が浮上した6月下旬以降、各種世論調査で低下傾向にあるとみられます。政権の基盤を左右しかねない今回の疑惑について、与野党ともに今後の国会論戦における最大の争点と位置づけており、審議の行方が注目されます。
今後の焦点は、陳述書に記載された会議の全容が明らかになるかどうか、そして首相本人が政治倫理審査会や予算委員会に出席して自ら説明するかどうかに移ります。憲政の慣例上、首相が文書のみで疑惑への説明を完結させることには限界があるとの見方も政治の現場では根強く、秋の臨時国会も見据えた政局の行方を左右する重要な局面を迎えています。
