副首都法が成立、国会閉会へ――強硬運営に批判集まる高市政権
与党・自民党と日本維新の会が推進した「副首都推進法」が25日に可決・成立し、今国会は事実上閉会となった。国会審議の進め方をめぐり、野党からの反発が相次いだ。
自民党と日本維新の会が共同提出した「副首都推進法」が2026年7月25日、参議院本会議で可決・成立した。これをもって今通常国会は事実上閉会となる。法案は大阪・関西圏に行政機能の一部を移転する法的根拠を整備するもので、維新が長年求めてきた「副首都構想」の実現に向けた大きな一歩と位置づけられている。一方、審議過程をめぐっては与野党間の対立が激しく、閉会後も批判の声が収まらない状況です。
今国会での最大の焦点となったのが、高市早苗首相の国会運営手法です。野党側は、与党が委員会審議の時間を十分に確保しないまま採決を強行したと主張。日本共産党の田村委員長(報道ベース)は本会議場で強権的な議事進行に対する抗議の意を示し、審議の在り方そのものへの異議申し立てを行いました。立憲民主党など他の野党会派も「国会軽視」と批判を強めており、与野党の溝は一段と深まっています。
副首都法の成立は、自民党と維新の「連携強化」の象徴として注目されてきました。政権発足当初、高市首相は維新との政策協調を重視し、憲法改正論議や規制緩和など複数分野での歩み寄りを図ってきた経緯があります。しかし、その「蜜月関係」が今国会で審議のスピードを優先する姿勢につながったとみられており、連立に加わっていない公明党との関係調整を含め、政権内部の合意形成プロセスへの疑問も呈されています。
こうした強硬な国会運営は内閣支持率にも影響を与えているとみられます。複数の報道機関が今月実施した世論調査によれば、高市内閣の支持率は政権発足後のピーク時から10ポイント超下落しているとの報告があり(報道ベース)、不支持率が支持率を上回る「逆転」局面に入りつつあるとの見方も出ています。有権者の間では、政策の中身よりも「決め方」への不満が高まっていることがうかがえます。
副首都法の具体的な内容については、大阪・関西圏を「副首都」と位置づけるための法的定義の整備や、国の出先機関の権限移譲などが盛り込まれているとされています。推進派は首都直下型地震など大規模災害時のリスク分散効果を強調しますが、反対派は移転コストの試算が不透明なまま採決されたと指摘しており、施行に向けた政省令の策定段階でも議論が続く見通しです。
合意形成の在り方は、秋以降に召集が見込まれる臨時国会でも引き続き課題となりそうです。与党は経済対策や社会保障改革など複数の重要法案を抱えており、野党との協議をどう設計するかが政権の安定運営を左右するとみられています。高市首相が強硬路線を修正して対話姿勢を打ち出すのか、あるいは維新との連携を軸に数の論理を貫くのか、次の国会開幕までの政権運営が今後の支持率動向を大きく左右する局面に差し掛かっています。
