ドル円165円到達が現実味、日銀利上げ是非が最大の焦点に
円安・物価高が続くなか、日銀の追加利上げを政権が容認するかどうかが市場の最大の注目点となっている。為替市場ではドル円が163円台後半で推移しており、165円到達を視野に入れた見方も広がっている。
2026年7月29日現在、外国為替市場ではドル円相場が1ドル=163.86円と高止まりしており、円安基調が続いている。物価高への懸念が国内で高まるなか、日本銀行(日銀)が追加利上げに踏み切るかどうか、そして政権がそれを容認するかどうかが、市場参加者の間で最大の焦点となっている。市場専門家の間では、近い将来に165円台へ到達する可能性を指摘する声も出始めており、円相場の動向から目が離せない状況が続いている。
野村證券のレポートによると、物価高・円安対策として政権が日銀の利上げを明示的に認める方針に転換した場合、金利カーブは大幅なベア・フラット化に向かう可能性があるとされている。ベア・フラット化とは、短期金利が長期金利に近づく形で全体的に金利水準が上昇する動きを指し、住宅ローンや企業の借入コストに直接影響を与えるため、実体経済への波及も避けられないとみられる。
為替専門家の間では、7月および9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)と日銀金融政策決定会合の結果次第で、円安がさらに加速するシナリオが意識されている。米国側で利下げペースが鈍化する一方、日銀が現行の政策を維持した場合、日米金利差は依然として大きく、ドル買い・円売り圧力が続く構図となる。165円という水準は、輸入物価の一段の上昇を通じて国内インフレをさらに押し上げるとして、警戒感を持って受け止める市場関係者も多い。
国内株式市場では、日経平均株価が62,364.92円(前日比 -2,566.27円、-3.95%)と急落しており、円安による企業収益への期待感よりも、物価高や景気先行き不透明感を嫌気した売りが優勢となった模様です。円安が輸出企業の業績を下支えするとの見方はある一方で、エネルギーや食料品の輸入コスト増大が家計や内需型企業を圧迫するという構図が、投資家心理を慎重にさせているとみられる。
海外に目を向けると、ドイツ連銀は2026年第2四半期のドイツ経済が緩やかながら成長したと発表した一方で、インフレ加速への懸念も示している。欧州でも物価上昇圧力が根強いことは、グローバルなインフレ動向として日本の政策当局者も注視しているとみられる。世界的な物価高のなか、各国中央銀行が独自の判断で政策舵取りを迫られている状況が続いている。
今後の焦点は、日銀が次回の金融政策決定会合でどのようなメッセージを発信するか、そして政府・与党がその判断を支持するかどうかに絞られてきた。政権と中央銀行の政策協調の行方次第で、円相場や金利市場は大きく動く可能性がある。市場参加者の間では、政策の方向性が明確になるまで、ボラティリティ(価格変動の激しさ)の高い状態が続くとの見方が多く、当面は各種政策イベントを見極める展開となりそうです。
