家計の株式保有比率、バブル期並み2割超に 白書がインフレ格差を注視
政府がまとめた白書で家計資産に占める株式比率がバブル期並みの2割超に達したことが判明しました。円安とインフレが進むなか、資産の有無による格差拡大が懸念されています。
政府がまとめた経済関連の白書で、家計資産に占める株式などのリスク資産の比率がバブル期並みとされる2割強に達したことが明らかになりました。長期にわたる株高とインフレの進行を背景に、資産を保有する世帯と保有しない世帯との間で資産形成の差が広がっているとみられ、白書ではこうした格差への注視が必要だと指摘しています。
8月4日の東京株式市場では、日経平均株価が前日比237.05円高の63,991.95円で取引を終えました。上昇率は0.37%で、TOPIXも105.18ポイントとなり前日と同水準を維持しました。株式市場が堅調な推移を続けるなか、株式を保有する家計の資産価値は相対的に押し上げられている状況が続いているとみられます。
一方で為替市場では、円安傾向が引き続き意識されており、この日のドル円相場は157円台後半で推移し、157.63円をつけました。円安は輸入物価の上昇を通じて生活コストを押し上げる要因となっており、株式などの資産を持たない世帯にとっては、資産価値の上昇による恩恵を受けにくい一方で、物価高の影響を直接受けやすい構図があると指摘されています。
こうした円安局面をめぐっては、市場関係者の間で日米当局による協調的な対応の必要性を論じる声も出ています。過去には急激な円安局面で市場介入が行われた例もありますが、単独での効果には限界があるとの見方も市場関係者から示されており、今後の政策対応の行方が注目されています。
白書が指摘する家計資産の株式比率の上昇は、日本銀行が公表する資金循環統計などを通じて以前から議論されてきたテーマです。バブル期には個人投資家による株式投資が活発化した経緯がありますが、今回のケースは新NISA制度の普及や長期にわたる株価上昇が背景にあるとみられ、当時とは異なる構造的な要因が指摘されています。
特に懸念されているのは、資産形成における世代間・世帯間の格差です。株式などのリスク資産を保有する世帯は株高の恩恵を受けやすい一方、預貯金中心の世帯はインフレによる実質的な資産価値の低下にさらされやすいとされています。白書ではこうした格差の実態について継続的な調査と分析が必要との立場を示しています。
今後については、円安基調が続くかどうかや、日本銀行の金融政策の方向性が、家計資産の格差にさらに影響を与える可能性があります。株式市場が高値圏で推移する一方、生活必需品を中心とした物価上昇が続く場合、資産を持つ世帯と持たない世帯の間の実質的な生活水準の差はさらに拡大するとみられ、政府や日銀による政策対応の在り方が今後も注目される見通しです。
