家計資産の株比率2割超え バブル期並み水準に白書が注視
政府white paperで家計金融資産に占める株式比率がバブル期並みの2割強に達したことが明らかになり、インフレ防衛の動きと資産格差の拡大が注視されています。
政府がまとめた経済財政白書で、家計の金融資産に占める株式などのリスク資産の比率がバブル期並みとされる2割強に達したことが明らかになりました。物価上昇が続くなかで現金・預金だけでは資産価値の目減りを防げないとの見方が広がり、家計が株式投資へと資金を振り向ける動きが強まっていることが背景にあるとみられます。白書はこうした動きをインフレへの防衛策として一定程度評価する一方、株式保有の有無や規模によって資産形成に差が生じる、いわゆる資産格差の拡大についても注視する姿勢を示しました。
4日の東京株式市場では、日経平均株価は前日比202.63円高の6万3957.53円で推移し、上昇率は0.32%となりました。TOPIX(東証株価指数)は105.18ポイントと前日から横ばいの水準でした。為替市場ではドル円相場が157.80円台で取引されており、円安基調が続いています。株高と円安が同時に進む局面は、輸出企業の業績改善期待とともに、国内投資家によるリスク資産への資金シフトを後押ししている要因の一つとみられます。
家計の株式保有比率が上昇する背景には、日銀の金融政策を巡る見通しの変化も影響しているとみられます。野村證券は日銀の利上げ見通しについて、次回の利上げ時期を10月をメインシナリオとしつつ、12月をリスクシナリオとして位置づける見方を示しました。金融政策の正常化が段階的に進むとの観測が広がるなかで、預金金利の上昇スピードが物価上昇に追いつかない状況が続けば、家計がより高いリターンを求めて株式など有価証券への投資を継続する可能性があるとの指摘もあります。
白書が指摘する資産格差の問題は、株式を保有する世帯と保有しない世帯との間で資産の増加ペースに差が生じている点にあります。株価上昇局面では保有資産の評価額が押し上げられる一方、株式を持たない家計は物価上昇による実質的な購買力の低下に直面しやすい構造があるとされます。政府はこうした格差の実態把握を進めるとともに、資産形成を後押しする制度の在り方について引き続き検討を進めるとみられます。
外交面では、茂木外務大臣とメキシコのエブラル経済大臣との会談が行われたことが外務省から発表されました。両国間の経済関係の強化や貿易・投資分野での協力について意見交換が行われたとみられ、日本企業のサプライチェーン多様化の観点からも今後の関係深化が注目されます。
今後の焦点は、日銀の金融政策運営と家計の資産配分行動がどのように相互に影響し合うかにあります。野村證券が示した10月をメインとする利上げ観測が現実のものとなれば、預金金利の改善が家計の資産選択に一定の変化をもたらす可能性がありますが、株式市場との比較でどちらが選好されるかは物価動向や実質賃金の推移にも左右されるとみられます。政府には、インフレ防衛としての株式投資の広がりを踏まえつつ、資産格差の是正に向けた政策対応が引き続き求められる展開になりそうです。
