高市首相、サッチャー氏や孔子の言葉引用し「中傷動画」報道に反論
高市早苗首相は21日、自身のXにサッチャー元英首相や孔子の言葉を引用し、公設秘書が関与したとされる中傷動画報道に改めて反論しました。
高市早苗首相は21日、自身のX(旧ツイッター)に、英国のサッチャー元首相や古代中国の思想家・孔子の言葉を引用した投稿をし、いわゆる「中傷動画報道」に対する自身の主張を改めて示しました。首相は投稿の中で「今も総理として『信頼』を得られていないのであれば、今後力強く政策を推進する上で支障になる可能性があると案じた」と、投稿に至った意図を説明しています。
首相が引用したのは、「好かれることを目的にしたら、取るべき決断が取れなくなる」というサッチャー元英首相の言葉と、「論語」にある「民、信無くんば立たず」という孔子の言葉です。これらを挙げた上で、「一定のご批判は覚悟の上で公約の実現に向けて全力を尽くしている」などと、自身の政治姿勢をアピールしました。今回の投稿は、報道各社の世論調査で内閣支持率が低下傾向にあることを意識したものとみられます。
問題となっている中傷動画報道は、高市首相の公設秘書が他候補を中傷する動画投稿に関与したと報じられたものです。首相はこの点について、「『やっていない事を証明しろ』と求められたことに対し、『私として把握できる事実』を誠実にお答えしてきた」と投稿し、これまでの対応の正当性を主張しました。あわせて、他候補への中傷や批判を第三者に依頼することはあり得ないとした国会での自身の答弁を紹介し、改めて疑惑を否定する形を取りました。
この中傷動画問題を巡っては、週刊文春が、昨年10月の自民党総裁選と今年2月の衆院選において、高市氏の公設第1秘書が対立候補へのネガティブな動画作成を依頼し、SNS上で拡散させたと報じています。報道では、動画作成に関与したとされる男性が、高市氏陣営からの指示があったことを認めたとされており、疑惑をめぐる報道はここにきて具体性を増しています。
一方で首相は21日、秘書と動画作成者とのやり取りとされる音声を確認したものの、それが秘書本人によるものかどうかの判断には至っていないとの説明も示しています。事実関係の確認が難航する中、首相自身がSNSを通じて直接反論する場面が続いており、政権としての説明責任のあり方にも関心が集まっています。
今回のようにサッチャー氏や孔子の言葉を引用して政治姿勢を語る手法は、批判を受けても信念に基づいて政策を進める姿勢を印象づける狙いがあるとみられます。ただし、疑惑そのものへの具体的な説明が十分に尽くされているかどうかは、引き続き議論の的になりそうです。今後、国会審議やメディアの取材を通じて事実関係の解明がどこまで進むか、また内閣支持率の動向にどう影響するかが焦点となります。
