サムスン電子、賞与格差100倍で組織不和 半導体6000万円・DX部門60万円
サムスン電子で半導体部門とDX部門の賞与格差が拡大し、労組の反発が広がっています。DX部門の労組加入者は直近2カ月で急増しました。
韓国サムスン電子で、部門間の賞与格差をめぐる組織内の不和が表面化しています。日本経済新聞の報道によりますと、2026年の賞与として半導体事業の社員には最大6000万円規模の自社株が支給される一方、スマートフォンや家電を手掛けるDX(デバイス・エクスペリエンス)部門の賞与は60万円ほどにとどまったということです。
この待遇差の背景には、AI(人工知能)ブームによる半導体事業の急激な業績拡大があります。半導体部門が会社全体の利益をほぼ一手に稼ぎ出した結果、賞与配分にも大きな差が生じた形です。
一方でDX部門はスマートフォン事業が同時期に赤字となったことが伝えられており、業績の明暗が賞与額にそのまま反映される事態となりました。こうした状況を受け、DX部門の労働組合は8月21日、ソウルのサムスン社屋前で賞与の引き上げを求める集会を開いたと報じられています。
格差への不満は労組加入者数の動きにも表れています。SNS上でも「配属ガチャ」といった表現とともに、部門間の待遇差に対する共感や驚きの声が数多く投稿されました。
サムスン電子はこれまで、部門を超えた一体感を重視する大家族主義的な企業文化を成長の基盤としてきたとされています。しかし、AI需要を追い風にした半導体事業の突出した収益力が、部門間の格差を一気に広げる結果となり、こうした企業文化の基盤が揺らぎかねない状況になっていると指摘されています。
業績連動型の賞与制度自体は多くの企業で採用されていますが、単一の巨大企業グループ内でこれほどの差が生じるケースは珍しく、成果配分のあり方をめぐる議論を呼びそうです。今後、DX部門の労組がどのような要求を掲げ、会社側がどのような対応を取るのか、労使間の交渉の行方が注目されます。
