食品減税前後、本体価格のみの表示容認案を政府検討
来年4月の食料品消費税率1%への引き下げに際し、政府は税込み価格表示の義務を一時免除し、本体価格のみの表示を認める案を検討していることがわかりました。9月半ばまでに与党の税制改正大綱をまとめ、臨時国会に法案を提出する方針です。
政府は25日、自民党税制調査会の幹部会合で、来年4月に予定される食料品の消費税率引き下げに伴う対応課題を提示しました。この中で、税込み価格の表示を義務づける「総額表示」を一時的に免除し、小売店などに本体価格のみの表示を認める案が検討課題として挙げられています。
この案は、税率変更の前後で小売店が短期間のうちに価格表示を切り替える負担を軽減する狙いがあるとみられます。会合ではこのほか、予約販売など契約後に減税が実施された場合にどの税率を適用するかという論点や、所得連動型の給付を税法上どう扱うかといった課題も示されました。
今回の消費減税は、高市早苗首相(自民党総裁)が7月30日の自民党臨時役員会で正式に表明したものです。飲食料品にかかる消費税率を2027年4月から2年間、8%から1%に引き下げる方針で、日本で消費税が導入されて以来、初めての税率引き下げとなります。
高市首相は会見で、当初検討されていた税率ゼロではなく1%とすることで、事業者のシステム改修期間を短縮でき、2027年4月からの実施が可能になったと説明しました。この2年間の減税は、2029年度から本格導入予定の「所得に連動したきめ細かな給付」への移行までの「つなぎ」と位置づけられています。
財源については、特例公債に頼らない形で確保する方針が示されており、歳出・歳入両面の見直しや特別会計・基金からの歳入確保などを通じて具体化が進められるとされています。また、仕入税額控除の還付を受けられない農業従事者や、外食産業への影響についても、今後の予算編成の中で支援策が検討される見通しです。
政府・与党は今後、こうした課題への対応策を議論し、9月半ばまでに与党としての税制改正大綱を策定したうえで、臨時国会に提出する法案としてまとめる方針です。価格表示のルール変更は消費者の店頭での実感にも直結するだけに、今後の議論の行方が注目されます。

