高市早苗首相は、2度目の法相就任となる山下氏に対し、旧姓の通称使用拡大の法制化を指示しました。政権としては早期の法制化を目指す方針で、女性の社会生活における利便性向上を狙いとしています。
高市首相は16日の参院予算委員会で、選択的夫婦別姓制度への賛否を問われた際「慎重な立場だ」と明言しました。その上で、政権が進める旧姓の通称使用拡大と選択的夫婦別姓は「全く別物だ」と述べ、両者を明確に切り分ける考えを示しています。
首相は同委員会で、最近の世論調査を引き合いに、現行制度の維持を求める意見と旧姓の通称使用拡大を求める意見を合わせると多数を占めると主張しました。その上で「結婚しても旧姓を通称で使いたい方々の利便性をさらに高めていくべきだ」と述べ、法制化への意欲をあらためて強調しました。
また9日の衆院予算委員会でも、首相は旧姓の通称使用法制化に意欲を示していました。日中関係の悪化が経済に与える影響について「状況を注視する」と述べる一方、内政面では旧姓使用の制度整備を優先課題の一つとして位置づけている様子がうかがえます。
この問題を巡っては、過去に法相を務めた人物が「家族姓」という考え方を強調し、自民党の方針に最も近いとの見方を示したことも報じられています。旧姓使用の運用拡大を求める立場からは、立憲民主党や国民民主党が示す夫婦別姓導入法案について「旧姓も家族姓も使いたいというニーズに対応していない」との指摘も出ており、与野党間で制度設計を巡る考え方の違いが浮き彫りになっています。
なお高市首相は、皇位継承を巡る議論についても言及し、秋篠宮家長男の悠仁さまの次代以降のあり方について「機が熟していない」とする政府の有識者会議の報告書を引用する形で、女性天皇には否定的な見解を示しました。夫婦別姓や皇位継承といった家族制度に関わるテーマで、慎重な姿勢を崩していません。
今後は、山下氏のもとで旧姓の通称使用拡大に関する法制化作業が本格化するとみられます。選択的夫婦別姓を求める野党側との議論の隔たりは大きく、国会審議の行方が焦点となりそうです。制度の具体的な適用範囲や運用方法について、今後の法案化の過程で詳細が明らかになるとみられます。
