日経平均が約3000円急落、7万円台を割り込む展開に
28日の東京株式市場で日経平均株価は前日比3005.46円安の69,360.88円と大幅に下落。AIラリーの失速や米雇用統計への警戒感が売りを加速させた。
28日の東京株式市場で日経平均株価は前日比3005.46円(4.15%)安の69,360.88円で取引を終え、心理的節目である7万円台を割り込む急落となりました。一方、TOPIXは前日比ほぼ横ばいの105.18ポイントで推移しており、大型ハイテク株への売りが日経平均を特に押し下げた構図が浮かび上がります。為替市場では1ドル=161.69円と円安水準が続いており、輸入コスト上昇への懸念も投資家心理の重しとなっています。
今回の急落の背景には、複数の要因が重なったとみられます。まず、今年前半にかけて世界的に相場をけん引してきたAI(人工知能)関連銘柄への過熱感が意識され始め、利益確定売りが広がったことが挙げられます。半導体や関連機器メーカーなど、日経平均構成銘柄の中で時価総額の大きいハイテク株が集中的に売られたことで、指数への影響が増幅されたと考えられます。
加えて、今週末に発表される米国の雇用統計への警戒感も市場に広がっています。雇用統計の結果次第では、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ時期の見通しが再び後ずれするとの観測が強まる可能性があり、リスク資産全般に売りが波及しやすい環境となっています。市場関係者の間では、発表前に持ち高を圧縮する動きが出やすいとの見方が出ています。
国内の政策動向も注目を集めています。政府は「骨太の方針2026」の中に、適切な金融政策運営が「非常に重要」であるとの文言を明記する方向で調整していることが明らかになりました。日本銀行の金融政策正常化をめぐる思惑が交錯する中、政府がこうした表現を盛り込むことは、市場の政策期待や金利動向の見通しにも影響を与える可能性があります。円安が続く中での物価・賃金動向とあわせ、日銀の次の一手を見極めようとする動きが続いています。
野村證券のストラテジストは6月末における日経平均の予想レンジを示しており、今回の下落でその下限水準に接近しているとの見方が報じられています。この水準は、景気や企業業績の下振れリスクをある程度織り込んだ価格帯とも解釈されており、売り一巡後の下値の硬さを指摘する声も出ています。ただし、業績見通しの修正や米国の経済指標次第では、さらなる調整が進む余地も残るとみられます。
今後の展望については、不透明感が強い状況が続きそうです。短期的には米雇用統計の結果や、7月以降に本格化する国内外企業の決算発表が相場の方向性を左右する重要な材料となるでしょう。また、日銀の政策決定会合の動向、および円安の進行が企業収益に与える影響についても、市場の関心が集まるとみられます。7万円台を回復できるかどうかは、AIをはじめとする成長テーマへの投資家の信頼が維持されるかにかかっており、当面は方向感を模索する展開が予想されます。
