富士通、生成AIでレガシーシステム刷新を加速する新サービスを提供開始
富士通は、生成AIとモダナイゼーションの実践知を組み合わせた「Fujitsu AIドリブンモダナイゼーションサービス」の提供を開始した。老朽化した基幹システムの刷新を支援し、企業のDX推進を後押しする。
富士通は2026年7月、生成AIの技術と同社が長年にわたって蓄積してきたシステムモダナイゼーションの実践的知見を融合させた新サービス「Fujitsu AIドリブンモダナイゼーションサービス」の提供を開始したと発表しました。国内企業が抱えるレガシーシステム問題の解決を主な目的としており、基幹システムの近代化をAI活用によって大幅に加速させることを目指しています。
日本国内では、1980〜90年代に構築された老朽化した基幹システム(いわゆるレガシーシステム)を今なお多くの企業が運用し続けているとみられています。経済産業省が過去に指摘した「2025年の崖」問題として広く知られるように、こうしたシステムの刷新が遅れることで、年間最大12兆円規模の経済損失が生じる可能性があると推計されてきました。この課題は依然として多くの企業にとって喫緊の経営課題となっており、業界関係者の間で対応策の模索が続いていました。
今回富士通が提供を開始したサービスでは、生成AIを活用して既存システムのソースコードや設計ドキュメントを自動的に解析し、移行計画の策定から新システムへのコード変換支援までを一貫してサポートする体制を整えています。従来、技術者が手作業で行っていたドキュメント解析やコード変換といった工程を自動化することで、モダナイゼーションにかかる期間とコストを従来比で大幅に削減できるとしています。具体的な削減率については現時点でサービス適用事例の蓄積段階にあるとみられます。
サービスの特徴として、富士通が過去に国内外で手がけてきた多数のシステム刷新プロジェクトで得た実績データと知見をAIモデルに組み込んでいる点が挙げられます。これにより、業種ごとの特性や業務フローの複雑性に対応した提案が可能になるとされています。金融・製造・流通など、特にレガシーシステムへの依存度が高いとされる業種をターゲットに、まず国内市場での展開を進める方針とみられます。
IT業界全体では、2026年に入り生成AIを活用したシステム開発・保守支援サービスの市場が急速に拡大しています。国内外の主要ITベンダーが類似サービスの投入を進めており、競争は激化しつつあります。富士通はこの分野での先行優位を確立するため、パートナー企業との連携強化やサービスラインアップの拡充を並行して進めているとみられます。
企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進において、レガシーシステムの刷新は避けて通れない課題です。生成AIの急速な進化を背景に、従来は膨大なコストと時間を要していたモダナイゼーションへのハードルが下がりつつあるとの見方が業界関係者の間では広まっています。富士通の新サービスがどこまで企業の課題解決に貢献できるか、今後の導入実績や顧客事例が注目されます。同社は引き続きAIドリブンなアプローチを軸に、企業のDX支援領域でのサービス拡充を図る姿勢を示しており、今後の展開が業界内外から注視されています。
