UAE駐日大使が秋田市訪問、日本最大級AIデータセンター計画で協議
UAEのアルファヒーム駐日大使が19日に秋田市を訪れ、日本最大級とされるAIデータセンター建設計画について知事・市長と面会しました。建設費は2兆円規模とされ、UAE側の投資が検討されています。
アラブ首長国連邦(UAE)のシハブ・アルファヒーム駐日大使が2026年8月19日、秋田県秋田市を訪問しました。同市に建設が構想されている日本最大級とみられる人工知能(AI)向けデータセンター計画について、地元関係者と協議するのが目的です。大使は同日午前、秋田市役所で沼谷純市長と面会したのに続き、鈴木健太秋田県知事とも会談しました。
計画の建設予定地は、秋田市中心部から北西に車で約20分、日本海を望む場所にある秋田県・秋田市が造成中の工業団地です。報道ベースでは、建設費は2兆円規模になるとみられており、日米企業に加えUAE側が投資する方向で協議が進んでいるとされています。
面談後、鈴木知事は「確実に大きな一歩だ」との認識を示しました。UAE側からは、データセンターへの投資を土台に、スマート農業やエネルギーの安定供給といった課題についても幅広い交流を求める発言があったといいます。
計画を主導しているのは、秋田市の「エスツー」とUAEに拠点を置く「ビットグリット」の2社です。両社が知事・市長との縁をつなぐ役割を担っており、秋田県・秋田市はそろって誘致を後押ししています。鈴木知事は「地元自治体は完全にウェルカムだ。やれることはすべてやる」と述べ、積極的な姿勢を示しました。
AIデータセンターは、AIの開発や運用を支える計算処理に特化した施設です。高性能な半導体を大量に設置し、膨大な計算を処理するため、大規模な電源や冷却設備、大容量の通信網が不可欠とされています。秋田県は豊富な水資源を持つことから、冷却用途などでの優位性が指摘されています。アルファヒーム大使は同日、秋田市内で進む洋上風力発電の建設現場も視察しており、AIインフラとエネルギー分野を組み合わせた協力の可能性が探られているとみられます。
一方、AIデータセンターの誘致には課題も指摘されています。多数のサーバーや冷却設備を24時間稼働させることで大量の電力や水資源を消費するため、地域の電力網への負担や電気代上昇への懸念から、住民の反対運動が起きているケースも他地域で報告されています。
秋田県では大都市圏に比べ電力需要に余地があるとされ、地方でのAIインフラ整備が地域活性化につながるかが注目されています。今後は投資規模や具体的な稼働時期など計画の詳細が固まっていくとみられ、UAE側との協議の進展や、地元での説明・合意形成の行方が焦点になりそうです。
