円安「悪い」5割超で最多、企業対策は価格転嫁がトップに
日経BP総合研究所の調査で、円安が勤務先に「悪い影響」を与えているとの回答が5割を超え、「良い影響」を30ポイント以上上回りました。今後の対策では価格転嫁がトップに挙げられています。
日経BP総合研究所が2026年6月に実施した「5年後の未来に関する調査」で、円安が勤務先に与えている影響について「悪い影響」(「どちらかというと」を含む)との回答が54.1%に達し、「良い影響」(同)の22.6%を30ポイント以上上回ったことが分かりました。20日の東京外国為替市場ではドル円が158.54円で推移しており、企業や働き手の間で円安への警戒感が続いていることをうかがわせる結果となりました。
同調査は2025年10月にも実施されており、前回は「悪い影響」が44.0%、「良い影響」が33.1%でした。今回の調査ではそれぞれ約10ポイント増、約10ポイント減となっており、この半年余りで円安の負の側面を意識する回答者が広がったことになります。
「悪い影響」と答えた回答者に具体的な内容を尋ねたところ、最も多かったのは「原材料や商品など仕入れ価格の上昇によるコスト増」で84.5%、次いで「エネルギー価格上昇によるコスト増」が64.4%となりました。3位の「コスト増を価格転嫁できないための収益悪化」は31.4%で上位2項目とは差があるものの、価格転嫁に踏み切れていない企業が3分の1近くに上る実態も浮かび上がりました。
今後5年間で円安の影響を好転、またはプラスをさらに拡大させるための施策を聞いた設問では、「販売・受注価格の引き上げ(価格転嫁)」が37.5%でトップとなりました。コスト増加分を販売価格に反映させる取り組みが、円安局面を乗り切るための主要な手段として位置づけられていることが分かります。
民間調査機関の帝国データバンクが実施した別の調査でも、円安への対応策として「原材料やエネルギーコスト上昇分の販売価格への転嫁」が31.7%で最も多く挙げられており、半数を超える企業が何らかの対応策をすでに実行していると報告されています。複数の調査結果から、価格転嫁が円安対策の共通した柱になっていることがうかがえます。
この日の東京株式市場では、日経平均株価が66,063.60円と前日比737.18円(1.13%)上昇して取引を終えました。一方でTOPIXは105.18ポイントと前日からほぼ横ばいで推移しており、株価と為替の動きが業種や企業規模によって受け止め方に差を生んでいる可能性があります。
円安基調が続くなかで、企業がコスト増分をどこまで販売価格に反映できるかは、今後の収益動向を左右する重要な論点となりそうです。価格転嫁が広がるかどうかは、消費者の受け止め方や賃金上昇の持続性とも密接に関わるとみられ、今後の企業動向や関連調査の推移が注目されます。
