年金支給日にお盆出費「一人1万円」も、炎天下で働くシニアたち
8月14日の年金支給日、猛暑の中で年金生活の厳しさが浮き彫りになり、お盆の出費や節約の工夫をしながら働き続けるシニアの姿が伝えられました。
2か月に一度の年金支給日だった8月14日、街頭での取材を通じて、猛暑が年金生活に大きな影響を与えている実態が明らかになりました。日テレNEWS NNNの取材によると、ひと月の年金額は人によって大きく異なり、約3万6000円という男性(70)や、約3万円という女性(69)もいれば、約15万円を受け取る高齢者もいるなど、生活水準には差が見られました。
お盆の時期ならではの出費に悩む声も上がりました。ひと月の年金が約15万円という男性(80)は、帰省した孫に会うたびに2000円ほどのお小遣いを渡していると話しました。また、高校生や大学生を含む4人の孫がいるという男性(82)は、ひと月の年金は約15万円で、孫1人あたり約1万円のお小遣いを渡しており「ちょっとキツいよね」と本音を漏らしていました。他に収入がないなか、孫のかわいさから工面を続けているといいます。
スーパーでの買い物にも節約の工夫が見られました。年金が月約7万円という女性(77)は、帰省した子どもたちのためにマグロの刺身や果物など19点を購入しましたが、この日は60歳以上限定のセールで5%割引となり、273円の値引きを受けたことを喜んでいました。一方、夫婦で月20万円の年金を受け取る女性(68)は「地道に節約してもギリギリかマイナス」と語り、就労なしでの生活の厳しさを訴えました。
厳しい暑さの中でも働き続けるシニアの姿も取材されました。年金が月約6万円という女性(72)は外での清掃業務に従事しており、汗だくになるため帰宅後すぐに着替えとエアコンが欠かせないと説明しました。警備会社に勤める69歳の男性は、東京都内で妻と2人暮らしをしながら、住宅ローンが75歳になるまでの6年間残っているため働き続けているといいます。年金額は非公表としながらも「年金だけだとちょっと余裕がない」と述べました。
この男性の仕事は工事現場などでの交通誘導で、取材が行われた東京・八王子ではこの日、最高気温31.3℃の真夏日を記録しました。休憩を挟みながら8時間、道路に立って旗を振り続ける過酷な業務にあたっていました。会社支給のファン付き作業服やこまめな水分補給で暑さをしのぎ、昼休憩にはおかずたっぷりの妻手作りの弁当で午後の仕事に備えているといいます。週5日勤務で手取りは月20万円以上あり、趣味のゴルフにも費用を充てられる生活を送っています。
この男性は「働いていなかったら、こんなに年金生活はゆとりがない」と語り、体調管理をしながら長く働き続けたいという意向を示しました。猛暑が続くなかで、電気代の負担も年金生活を圧迫する要因の一つとなっており、凍らせた水を持ち歩くなど、支出を抑えるための工夫を重ねる高齢者の姿も見られました。
年金額だけでは生活を維持することが難しいと感じる高齢者が少なくないなか、猛暑が続く夏場は電気代や食費といった生活コストがさらに膨らみやすく、就労を続ける選択をするシニア層は今後も一定数存在するとみられます。物価上昇や光熱費の動向次第では、年金生活者の負担感がさらに強まる可能性もあり、節約と就労を組み合わせた生活スタイルが今後も広がっていくことが見込まれます。
