「総額表示」猶予2カ月を自民税調が了承、食品消費税1%引き下げへ
2027年4月に予定される食料品の消費税1%への引き下げに合わせ、政府は「総額表示」義務に前後2カ月の猶予期間を設ける方針を固め、自民党税制調査会が2日に了承しました。
2027年4月に予定されている食料品の消費税率1%への引き下げをめぐり、政府は事業者に義務付けられている「総額表示」について、税率変更の前後2カ月間を猶予期間とする方針を固めました。自民党税制調査会は9月2日の会合でこの方針を了承し、取りまとめを小野寺五典税調会長に一任しました。
「総額表示」は、消費者が支払う金額を一目で分かるようにするため、税込み価格の表示を法律で義務付けている制度です。今回の方針では、猶予期間となる2カ月間に限り、消費者の誤認を防ぐ措置を講じることを条件に、税率変更前の価格や変更後の価格をそのまま表示することが特例として認められます。具体的には「8%の税込み価格が表示されています。レジでは1%の税率で精算します」といった掲示物を店舗に設置することなどが想定されているということです。
背景には、24時間営業の店舗をはじめとする小売業者から、値札の貼り替え作業が税率変更のタイミングに間に合わないとの懸念が寄せられていたことがあります。自民党の税制調査会でも、こうした事業者の実態に配慮した対応を可能にすべきだとの意見が出ていました。
今回示された猶予措置は、2027年4月の引き下げ時だけでなく、2029年4月に税率を8%に戻す際にも適用される方針です。税率の変更が2段階で予定されていることを踏まえ、いずれのタイミングでも同様の特例が使えるようにする狙いがあるとみられます。
政府はこの日の会合で、小規模農家への給付を行う方向も改めて示しました。売上高1000万円以下の小規模農家の多くは、消費税の納付が免除される「免税事業者」に当たり、税率引き下げに伴って農作物の販売時に受け取る税額が減ることで、手元に残る収入が少なくなる懸念が出ていることに対応するものです。
政府は9月中旬までに、消費税減税の実施に向けた税制改正大綱の閣議決定を目指しており、今回の総額表示の猶予措置もこの大綱に盛り込まれる見通しです。来週以降、とりまとめに向けた議論が本格化するとみられ、秋の臨時国会には関連法案が提出される見通しです。
食料品の消費税減税は家計への影響が大きい政策だけに、実務面での混乱を避けられるかどうかが今後の焦点となりそうです。小売業界や外食産業からの反応、そして猶予期間中の店頭表示が消費者にどう受け止められるかも、制度の運用を左右する要素として注目されます。

