茨城県神栖市長選の投開票をめぐり、「まんじゅうや」「だんごさん」と記載された2票の有効性が争われていた訴訟の判決が、2026年9月3日に東京高裁でありました。佐藤哲治裁判長は、茨城県選挙管理委員会が下した当選無効の裁決に違法性はないと判断し、木内敏之市長(65)側の請求を棄却しました。
神栖市長選は2025年11月に実施され、新人の木内氏と現職だった石田進氏(68)が争いました。開票の結果、両者の得票数はともに1万6724票で並び、公職選挙法の規定に基づき、市選挙管理委員会がくじ引きで木内氏を当選者と決定していました。
その後、石田氏側の不服申し立てを受けて県選管が票の再点検を実施し、2026年4月、「まんじゅうや」「だんごさん」と書かれた2票について「通称として使用されていると認めるに足りる証拠はない」として無効と判断しました。この結果、木内氏の当選そのものも無効とされていました。
木内氏側は、実家が市内で120年以上続く和菓子店であることや、同じ名字が多い地域で通称として呼び合う慣習があったことを挙げ、「まんじゅうやの息子」として日常的に呼ばれていたと主張していました。地元の市選管がいったん有効票と判断した経緯についても、最大限尊重されるべきだと訴えていました。
これに対し高裁は、「まんじゅうや」「だんごさん」という表現について、飲食店の種類を表す普通名詞にとどまると指摘しました。木内氏の実家が和菓子店であることから連想される余地は認めつつも、市内には和菓子店が少なくとも9軒あることなどを踏まえ、本名に代わるものとして市内で慣習的に使用されているとは言えないと結論付けました。
判決を受けて木内氏は記者会見し、和菓子屋に関連する候補者は他にいなかったとして納得がいかない考えを示し、判決内容を確認したうえで上告するかどうかを検討する意向を明らかにしました。一方、県選管側は、慎重に判断した裁決が今回認められたとの受け止めを示しました。
判決が確定した場合、木内氏は市長職を失職し、前市長の石田氏が新たに市長に就任することになります。木内氏が上告するかどうかで今後の展開は変わってくるとみられ、地元の神栖市政の行方は引き続き注目される見通しです。

