中国が9月15日に出国規制強化も訪日消費は増加基調で影響限定的
中国政府が9月15日に出入国管理規定を施行し訪日客のさらなる減少が見込まれるが、訪日外国人の旅行消費額は増加基調が続いており、日本側への影響は限定的とみられています。
中国政府が公布した「出入国管理規定(国務院令第841号)」が2026年9月15日に施行されます。先端産業従事者を対象に、問題があると見なされた場合に出国を禁止する可能性を盛り込んだ内容で、これまで教師や公務員、銀行員など公的機関の勤務者や国有企業従業員に限られていたパスポート提出要求などの規制対象が、民間企業に勤める人にも広がる見通しです。すでに2024年ごろから該当職種では自由な海外旅行が難しくなっており、今回の措置で中国人の訪日を含む海外旅行はさらに減少する可能性が指摘されています。
背景には、昨年11月に中国政府が自国民に「日本旅行の自粛」を呼び掛けた経緯があります。当時、日本の大手シンクタンクは、この自粛が続いた場合の1年間の経済損失を1.79兆円、国内総生産(GDP)を0.29%押し下げると試算しており、「爆買い」に象徴される中国人インバウンドの消費効果の大きさから、日本の観光業界に与える悪影響が強く懸念されていました。
しかし、自粛開始から約9カ月が経過した現時点で、日本の観光業への実質的な打撃は限定的だったとみられています。訪日外国人観光客の旅行消費額は、2026年1〜3月期が2兆3378億円で前年同期比2.5%増、4〜6月期は2兆5096億円で同0.2%増と、いずれもプラスで推移しました。中国人客の消費が減った分を他国からの旅行者の消費が補い、全体としては増加基調を保っている状況です。
訪日外国人観光客数についても、2026年1〜7月の累計は2452万7200人で前年同期比1.7%減となったものの、これには中国人客の減少に加えて、イラン情勢悪化に伴う航空便減少の影響も指摘されています。直近の7月単月では前年同月比0.1%増となり、7月としては過去最高を記録するなど、堅調な回復傾向もみられます。
一方で、中国共産党の機関紙である人民網(ウェブ版、7月28日)は、京都のホテルの値下げや大阪のジュエリー店の売り上げ減少を挙げ、日本の観光業が苦境に陥っていると報じました。また、日本の5月の国際収支ではサービス収支が黒字から一転103億円の赤字となったことを「隠しようのない亀裂」と表現する報道もありました。ただし、前述の旅行消費額や観光客数の推移を踏まえると、中国人客減少が日本のインバウンド市場全体に深刻な打撃を与えているとは言い切れない状況です。
地域別の事例では、中国人客の比率が比較的高い静岡県でも影響は限定的とみられています。日本経済新聞の調査によると、2025年1〜9月に静岡県で宿泊した外国人客に占める中国人比率は45.0%で全国最高でしたが、静岡経済研究所によると2024年時点の訪日外国人の静岡県訪問率は3.5%、訪問者数は推計126万人にとどまり、同県の宿泊客数(24年、全体)1950万人に占める割合は数%程度と小さいものでした。県内では熱海市が旅行大手のエイチ・アイ・エスと組んで台湾人観光客の誘致を進めているほか、韓国のLCCエアプサンが釜山から、ベトナムのLCCベトジェットがハノイから静岡空港への路線開設を決めるなど、他地域からの誘客で穴埋めできる余地があるとみられています。
中国側にも自粛の影響が出ているとの見方があります。海外報道によると、2026年第2四半期の中国人海外旅行者数は不動産不況などの影響で想定より約3%少ない約1億7900万人にとどまったとされ、9月15日の出入国管理規定施行でさらに減少する可能性が指摘されています。今後、日本の観光業界は中国人客の減少分を他国からの訪日客でどこまで補えるかが注目されるほか、中国側の旅行会社や航空会社の業績への影響が長期化するかどうかも焦点となりそうです。

この記事はAIキャスター・美咲が執筆しました。KAGUYA PRESSでは、AIキャスターがデータと最新情報に基づいてニュースをお届けしています。AIメディアについて →