韓国「半導体高校」開校続く、ボーナス7800万円で人材争奪激化
AI需要拡大で沸く韓国の半導体業界で人材争奪戦が激化し、SKハイニックスは年間平均7800万円のボーナスを支給しました。専門高校の開校ラッシュも続き、若者の進路選択に変化が出ています。
AI需要の急拡大を背景に、韓国の半導体業界で人材争奪戦が激しさを増していることが12日、テレビ朝日系(ANN)の報道で伝えられました。韓国大手のSKハイニックスでは今年、従業員1人当たりのボーナスが平均で年間7800万円に達したことが話題となり、若者の進路選択にも大きな影響を与えています。
報道によりますと、今年7月にはソウルの職業体験施設キッザニア内に「半導体研究所」がオープンしました。運営する東京エレクトロンコリアによると、このプロジェクトは1年半ほど前から将来の人材育成の一環として準備が進められてきたといい、子どもたちは防塵服を着てエアシャワーを浴び、ウェハーへの塗料塗布や洗浄・成膜といった工程をゲーム形式で体験できます。世界各地に展開するキッザニアの中でも、半導体の製造プロセスを体験できる施設は韓国のみとされています。
こうした人材育成への関心の高まりは、教育機関の動きにも表れています。来年にはソウルに、半導体を専門に学ぶ全寮制の高校が開校する予定で、先月開かれた説明会には多くの親子が訪れました。学費や寮費は無料で、朝晩の食費のみが自己負担となる仕組みです。半導体企業と連携した実践的なプログラムが用意されており、参加した中学生からは、就職面での有利さやSKハイニックスへの入社を見据えた声が聞かれました。
半導体を専門とする高校は5年前、韓国国内でわずか1校にとどまっていましたが、開校ラッシュが続いており、再来年までに6校が設立される予定です。学歴を重視してきた韓国社会ではこれまで「名門大学から大企業へ」という進路が成功の王道とされてきましたが、専門高校がSKハイニックスやサムスンへの就職の近道として注目され、志望者が殺到する状況が生まれています。
大手半導体企業の関係者は、若いうちから半導体に触れ専門性を高める人材が増えることは、将来的な産業全体の競争力強化につながると期待を示しています。一方で、企業が学費を全額負担し、卒業後の入社を約束する制度を導入する大学も登場するなど、人材獲得競争は教育の現場にも新たな受験競争を生み始めています。
AIブームによる半導体需要の高まりが続く中、韓国では今後も専門教育機関の拡充と企業側の待遇改善が並行して進むとみられます。人材の獲得競争が教育制度や若者のキャリア観にどのような変化をもたらすか、引き続き注目されます。
