原油100ドル超・米金利5%接近でも円高進行、日経平均1259円安
9月7日週の世界市場では原油価格が100ドルを突破し米長期金利も5%に迫る中、通常の値動きに反して円高が進行しました。13日の東京市場では日経平均が前日比1259.61円安となっています。
13日の東京株式市場で日経平均株価は前日比1259.61円安(-1.93%)の64,011.34円で推移しました。TOPIXはほぼ横ばいの105.18ポイントとなっています。為替市場ではドル円が153.55円で取引されており、外国為替市場では複雑な値動きが続いています。
背景にあるのは、9月7日週の世界市場で起きた大きな変化です。中東情勢の緊迫化を受けて北海ブレント原油は週初の97ドル台から急伸し、9日には100ドルを突破、11日には一時109.97ドルまで上昇する場面がありました。週間の上昇率は8%を超えたとみられます。原油高を受けて、米国の長期金利も上昇圧力を強め、11日には米消費者物価指数(CPI)の発表後に10年国債利回りが一時4.99%台まで上昇しました。5%台という水準は、2002年以降ほとんど見られなかった高さとされています。
通常であれば、米金利上昇はドル高・円安につながりやすく、原油高もエネルギー輸入国である日本にとっては円安材料として意識される場面が多くみられます。しかし9月7日週の実際の値動きはこの通説とは逆で、ドル円は一時152.89円まで下落し、約7カ月ぶりの円高水準をつけました。
円高が進んだ背景には、日銀が金融引き締めを進めるとの観測がありました。市場では日銀が金融政策決定会合で追加利上げに踏み切るとの見方が強まり、日本の金利上昇を意識した円買いが入ったとみられます。加えて、円安局面で積み上がっていた円売りポジションの買い戻しや、低金利の円を調達して海外資産に投資する「円キャリートレード」の縮小に伴う円買いも重なった可能性が指摘されています。ベッセント米財務長官による円安けん制とみられる発言も、ドル円の上値を抑える要因になったとされています。
欧州でも同様にインフレ長期化への警戒が強まりました。欧州中央銀行(ECB)は10日、主要政策金利を0.25%引き上げており、ドイツの10年国債利回りは2011年以来、英国の10年国債利回りも2007年以来の高水準に達したと報じられています。株式市場では、原油高によるコスト増と金利上昇による資金調達コスト上昇が重なり、米国株や欧州株は上値の重い展開が続きました。ただし週末にかけて原油価格がいったん反落したことを受け、米国株は反発する場面もみられました。
こうした流れの中、13日の東京市場でも日経平均が大幅に下落しており、原油高や米金利上昇、円高進行が複合的に投資家心理に影響を与えているとみられます。一方で、金曜日にいったん落ち着いた原油相場についても、サウジアラビアの原油輸送ルートや紅海航路をめぐる懸念が週末にかけて再び強まっており、供給不安は依然として残っている状況です。
今後の焦点は、9月14日週に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合です。米国では原油高やインフレ指標の強さを背景に利上げ観測が高まっており、市場では9月FOMCでの利上げ織り込みが7割を超えたとされています。一方、日本では今回の会合で0.25%の追加利上げが実施され、政策金利が1.25%へ引き上げられるとの見方が強まっています。FRBと日銀の政策スタンスの「温度差」次第では、日米金利差を意識した為替の変動がさらに広がる可能性があり、中東情勢と原油価格の動向とあわせて、今後の相場を左右する重要な材料になりそうです。
