日経平均が6万1867円に上昇、半導体株が牽引 専門家「バブルではない」
日経平均株価は前日比433円高の6万1867円で推移。半導体関連株の堅調な動きが指数を押し上げるなか、市場の過熱感を否定する見方も出ている。
2026年7月31日、日経平均株価は前日比433.24円高(+0.71%)の6万1867.43円で推移しています。節目の6万2000円台が視野に入るなか、市場参加者の間では現在の水準が適正かどうかを巡る議論が続いています。野村證券の岡崎康平氏は、半導体株が相場全体を牽引している現状を踏まえ、「バブルではない」との見解を示しており、一定の根拠に基づく上昇局面とみる向きも少なくありません。
株式市場の上昇を支える最大の要因として挙げられるのが、半導体・AI関連銘柄の強さです。生成AIの普及を背景に、半導体需要は世界的に高水準で推移しており、日本の製造装置メーカーや素材メーカーにも恩恵が波及しているとみられます。こうした業績裏付けのある上昇である点が、1980年代末のバブル期との本質的な違いとして指摘されています。
一方、為替市場では緊張感が高まっています。円相場は一時1ドル160円台まで円安が進む場面があり、政府・日銀が為替介入を実施したとの観測が市場に広がっています。為替介入の有無や規模については当局が明らかにしていませんが、その後に円が急騰する動きが観測されており、市場関係者の間では「介入があった可能性が高い」とみる声が多くなっています。現在のドル円レートは159.01円となっています。
金融政策の面でも注目すべき動きがあります。東京大学の渡辺努名誉教授は、日本銀行が春闘の結果を先取りする形で積極的な利上げ姿勢に転換する可能性があると指摘しています。背景には、基調的な物価上昇率が2%を超える水準で推移していることへの警戒感があります。日銀がより積極的な引き締めに動けば、円高方向への圧力となり、輸出企業の業績見通しに影響を与えることも考えられます。
株式市場では、金利上昇局面における株価への影響も引き続き意識されています。一般的に利上げは企業の資金調達コストを引き上げ、株式のバリュエーションを押し下げる方向に働きます。ただ、国内景気の回復が続くなかでの「良い利上げ」であれば、企業収益の改善が株価を下支えするとの見方もあり、市場の評価は一様ではありません。
なお、TOPIXは105.18ポイントと前日比ほぼ横ばいで推移しており、日経平均に比べると値動きは限定的です。日経平均が一部の値がさ株・半導体関連株の上昇に引っ張られやすい指数構造であることを考えると、市場全体が一様に強いわけではなく、物色の選別が進んでいる側面もうかがえます。
今後の焦点は、日銀の金融政策決定会合の動向と、為替介入をめぐる当局の姿勢、そして米国経済の軟着陸シナリオが維持されるかどうかの3点に絞られそうです。半導体需要の持続性や企業決算の動向次第では、6万2000円台への挑戦が現実味を帯びる可能性もありますが、円安の急激な修正や予想外の利上げ加速が下振れリスクとなりうる点には引き続き注意が必要です。
