ドル円155円台で一服、日銀会合控え隠れた円高材料に警戒感
ドル円は155円台前半で推移する中、17日から始まる日銀会合を控え、GPIFの資産配分見直し観測など「隠れた円高材料」への警戒が続いています。
2026年9月17日の東京市場で、ドル円は155円前後での推移が続いています。17日時点でドル円は155.11円となり、直近では米消費者物価指数(CPI)の発表や原油高を受けた思惑から、155円を挟んだ値動きが続いている状況です。同日の東京株式市場では、日経平均株価は前日比438.9円高(+0.69%)の63,923.00円で取引され、TOPIXは105.18ptと前日から大きな変化はありませんでした。
ドル円は先週、日銀の高田創審議委員によるタカ派的な発言や、ベッセント米財務長官の円安是正を支持する発言などを受けて円高が進行し、一時155円を割り込む場面もありました。しかし、その後発表された米8月CPIがコアCPIの前月比で市場予想を上回ったことに加え、サウジアラビアの原油パイプラインが攻撃を受けたとの報道で原油価格が急騰し、インフレ懸念の高まりから米長期金利が上昇。これによりドル高方向への揺り戻しが生じ、ドル円は再び155円前後まで戻す展開となりました。
背景には、米連邦準備制度理事会(FRB)による9月の追加利上げがほぼ市場に織り込まれている状況があります。加えて、原油高によるインフレ懸念の再燃を受け、年内の追加利上げ観測も高まっており、こうした米金利動向がドル円相場を支える要因になっているとみられます。一方で、日本国内でも新発10年債利回りが30年ぶりの高水準まで上昇するなど、日米双方で金利上昇圧力が強まっている点も特徴です。
そうした中で市場関係者が注目しているのが、いわゆる「隠れた円高材料」です。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が8月に異例のタイミングで経営委員会を開催したことが明らかになり、資産配分の見直しを検討しているのではないかとの観測が浮上しています。現行基準の範囲内で見直しが行われた場合、外貨資産から円資産へ資金が移動する可能性があり、これが円高要因として意識されているとの見方が業界関係者の間で出ています。
また、ベッセント財務長官が「情報の非対称性がある」と発言したことについても、日銀の金融政策に関する情報を念頭に置いたものか、GPIFの資産配分変更を指したものかで見方が分かれており、この発言の解釈自体が市場の警戒材料になっているとの指摘もあります。
市場の焦点は、17日から18日にかけて開催される日銀の金融政策決定会合と、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果に移っています。日銀は9月の利上げ自体はほぼ織り込まれているとされる一方、これまで半年に1回だった利上げペースを3カ月に1回へと早めた姿勢を続けるかどうかが注目点です。慎重な姿勢が示された場合は失望感から円安に振れる可能性があり、逆に利上げペース加速の姿勢が明確になれば円高圧力が強まるとみられます。
今後は、日米の金融当局の姿勢に加え、GPIFの資産配分見直し観測の行方や、中東情勢に絡む原油価格の動向も、ドル円相場を左右する材料として注視されそうです。日米金融会合の結果を経て、ドル円が155円から160円のレンジで推移するのか、150円台へ円高が進むのか、市場の見極めが続く展開が予想されます。
