トランプ氏、暗号資産業界幹部と会合しクラリティー法案可決要請
トランプ米大統領は19日、ホワイトハウスに暗号資産業界の幹部を招き、業界が最優先課題とするデジタル資産市場構造法案(クラリティー法案)の可決を議会に求めました。上院での審議は停滞しており、法整備の行方が焦点となっています。
トランプ米大統領は19日、ホワイトハウスに暗号資産(仮想通貨)分野の業界幹部らを招き、業界が最優先課題と位置づけるデジタル資産市場構造法案、通称「クラリティー法案」の可決を議会に求めました。同法案は暗号資産分野の定義を明確にすることを目的としており、業界にとって長年の懸案とされてきました。
イベントにはコインベースのブライアン・アームストロング最高経営責任者(CEO)、ロビンフッドのブラッド・テネフCEO、インターコンチネンタル取引所(ICE)のジェフリー・スプレッチャーCEOらが登壇したほか、商品先物取引委員会(CFTC)のセリグ委員長、証券取引委員会(SEC)のアトキンス委員長、ホワイトハウスの暗号資産担当顧問パトリック・ウィット氏も出席しました。トランプ氏は会合で「今こそ議会がクラリティー法案、公正な形のクラリティー法案を可決し、次の一歩を踏み出す必要がある」と述べたと報じられています。
クラリティー法案は、どのトークンが証券に該当し、どれがコモディティー(商品)に該当するのかを整理するとともに、どの当局が暗号資産分野を監督するのかを定めることを目的としています。業界幹部やアナリストの間では、こうした法整備がなければ規制は政治情勢の変化や訴訟に左右されやすくなり、業界にとって不安定な状況が続くとの指摘が出ています。
一族の暗号資産事業から14億ドル超を得てきたとされるトランプ氏にとって、同法案の行方は個人的な利害とも結び付く問題です。実際、多くの民主党議員や一部の共和党議員は、トランプ氏を含む政治家が自身の暗号資産事業から利益を得ることを禁じる強力な文言が法案に盛り込まれなければ賛成しないとの立場を示しており、議会審議の停滞要因の一つとなっています。
こうした中、SECは18日、暗号資産に関する新たな規制枠組み案を公表しました。これにより一定の暗号資産関連企業や発行案件が米証券法の適用対象から除外され、暗号資産企業によるトークン発行や資金調達が容易になるとみられています。また、CFTCは20日、業界関係者を交えた会合で暗号資産規制などについて協議する予定です。行政機関側の動きが先行する形となっており、議会での法制化との足並みの違いが浮き彫りになっています。
クラリティー法案は暗号資産企業に法的な確実性を与えるものとされていますが、上院での審議は停滞しており、会期の残りが少なくなる中で成立の見通しは依然として不透明です。政治家の利益相反防止に関する条項をめぐる与野党の意見対立が解消されるかどうかが、今後の法案審議の行方を左右するとみられます。ホワイトハウスと業界側の働きかけが強まる中、議会が会期内にどこまで議論を前進させられるか、引き続き注目されます。
