日銀利上げ観測とFRB思惑交錯、ドル円155円台で神経質な展開
ドル円は日銀の利上げ観測とFRBの利上げ期待後退を受けて155円台後半まで下落し、4日は米雇用統計の発表を控えて神経質な値動きが続いています。
外国為替市場でドル円相場が大きく変動しています。4日午前の東京市場では156.34円前後で推移しており、前日にかけて進んだ円高の流れを引き継ぐ形となりました。
3日のドル円は終値ベースで約1.8%の大幅安となりました。背景には日銀が今月の会合で0.25%の利上げに踏み切り、10月以降も経済・物価動向次第で追加利上げを排除しない方針が伝わったことがあります。これに加え、ベッセント米財務長官による円安是正への思惑や、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が基本ポートフォリオを見直すとの観測も重なり、円買いが優勢な展開となりました。
米ニューヨーク時間に入ると、ウォラーFRB理事が「ディスインフレ傾向が継続すれば、政策金利の据え置きを支持する」と発言したと伝わり、市場の早期利上げ警戒感が急速に後退しました。米新規失業保険申請件数の増加や貿易赤字の拡大も重なったことで米長期金利が低下し、ドル売りが加速。ドル円は一時155.297円まで下落する場面がありました。
外為どっとコム総合研究所のシニア為替アナリスト・神田卓也氏によると、直近2日間で5円前後の下落となったことから、これまでのドル高・円安トレンドが終了したのではないかとの見方も出ているといいます。一方で、7月末の日米協調円買い介入後の安値である155.22円前後や、5月のGW介入で付けた155.03円前後が下値支持として機能する限りはトレンドが変わらないとの見方もあるとしています。神田氏は、1ドル155円をめぐる攻防が今後のトレンドを占う重要なポイントになる可能性が高いと指摘しています。
4日のアジア時間は東京・欧州時間ともに様子見姿勢が強まりやすく、戻りの鈍い展開が想定されています。最大の焦点は同日発表予定の米8月雇用統計です。非農業部門雇用者数(NFP)については、前月の大幅な落ち込み(マイナス2.3万人)から「プラス5.0万人からプラス5.6万人程度」への回復が見込まれる一方、外為どっとコム総合研究所ではプラス5.5万人程度との予想を示しています。ただし先行指標であるADP雇用統計が低水準にとどまったことや、消費者信頼感指数の雇用見通しの悪化もあり、市場では2カ月連続の減少というネガティブサプライズへの懸念もくすぶっています。平均時給についても前月比プラス0.3%、前年比プラス3.1%の予想が示されており、FRBがインフレ動向を注視する中で注目材料となりそうです。
株式市場に目を向けると、4日の日経平均株価は64,845.12円と前日比630.64円高(プラス0.98%)で取引されています。TOPIXは105.18ポイントと前日比横ばいでした。為替市場の変動が大きい中でも、株式市場は底堅い動きを見せている状況です。
今後については、米雇用統計の結果次第でドル円相場が155円の攻防をめぐって大きく動く可能性があります。雇用者数が予想を下回るような結果となれば、FRBの利上げ観測がさらに後退し、円高圧力が強まる展開も想定されます。一方で、下値支持とされる155円前後を維持できれば、これまでの円安基調が続く可能性も残されており、市場関係者は今後の動向を注視する構えを見せています。
