日銀、9月17-18日会合で0.25%利上げ観測-来年半ばまで継続との見方
日銀が9月17~18日の金融政策決定会合で0.25%の利上げに踏み切るとの見方が強まっています。市場関係者の間では、政策金利は今後段階的に引き上げられ、来年半ばに1.75%で利上げが終了するとのシナリオも示されています。
日本銀行が9月17~18日に開催する金融政策決定会合(MPM)で、0.25%の利上げを行い、政策金利を1.25%まで引き上げる公算が高いとの見方が広がっています。楽天証券トウシルに寄稿するエコノミストの愛宕伸康氏は、今回の利上げ後も日銀が段階的な政策金利の引き上げを続け、早ければ2026年12月、遅くとも2027年1月に追加利上げを行い、その後は2027年6月か7月ごろに政策金利1.75%で利上げを終了するとのシナリオを示しています。
背景には、日銀の政策委員会審議委員である高田創氏が9月2日に札幌で行った金融経済懇談会での発言があります。高田氏は0.25%以外の利上げ幅の選択肢についても言及したとされ、これを受けて海外市場を中心に0.5%の大幅利上げを予想する声も一部で出ているようです。ただし愛宕氏は、市場が0.25%の利上げしか織り込んでいない状況で日銀がサプライズ的に0.5%の利上げに踏み切れば、長期金利が不必要に上振れるリスクがあるとして、0.5%利上げの可能性は低いとみています。
米国のベッセント財務長官による発言も、日銀の政策判断に影響を与えている可能性が指摘されています。8月31日の公式X(旧Twitter)への投稿では、G20の場で植田和男総裁と日本の金融政策正常化方針について協議したとの趣旨の発言があったとされ、これが米側の要請を受けて利上げしたと受け取られかねないとの懸念も示されています。
今後の物価動向を見極める上で重要なデータとして、9月11日に日銀が発表する8月の企業物価指数と、9月18日に総務省が発表する8月の全国消費者物価指数が挙げられています。7月の企業物価指数は前年比7.2%となっており、日銀は原油高を起点とした企業間取引の価格転嫁の速さを注視しているとされています。8月の指数が引き続き強めの結果となれば、6月MPMの声明文や7月の「展望レポート」で示された、基調的な物価上昇率が2%の目標を超えて上振れるリスクへの言及が9月の声明文でも維持される可能性が高いとみられています。
こうした物価上振れリスクへの日銀の見方が変わらない場合、利上げペースはこれまでと同様、3カ月に1度程度のペースが続くとの見方が示されています。ただし、政府の次年度予算の策定(閣議決定)と時期が重なる12月は利上げに踏み切りにくいとの指摘もあり、追加利上げのタイミングは12月から来年1月にかけて幅を持って見ておく必要があるとされています。例年9月下旬から10月上旬に開催される植田総裁の「大阪経済4団体共催懇談会」(今年の日程は未公表)での発言にも注目が集まりそうです。
9日の東京株式市場では、日経平均株価は65,142.78円と前日比126.55円(0.19%)下落し、TOPIXは105.18ポイントで前日比ほぼ変わらずとなりました。外国為替市場では、ドル・円相場は1ドル=153.37円で取引されています。日銀の利上げ観測を巡る思惑が、当面の市場動向にも影響を与える可能性があります。
今後は9月11日の企業物価指数、18日の消費者物価指数の結果を踏まえ、9月17~18日のMPMでの決定内容が最大の注目点となります。仮に0.25%の利上げが実施された場合、その後の追加利上げのタイミングや、政策金利がどこまで引き上げられるのかを巡る市場の思惑が、当面の金融政策運営を左右する要因として続いていくとみられます。
