日銀・増審議委員が福井で講演、追加利上げの必要性を強調 物価上昇に警戒感
日本銀行の増一行審議委員は9月10日、福井市内での講演で追加利上げの必要性を強調しました。17、18日の金融政策決定会合を前に、市場では利上げ観測が強まっています。
日本銀行の増一行審議委員は10日、福井市内で講演し、「さらなる利上げを進めていくことが、金融正常化の完成には求められている」と述べ、追加利上げの必要性を強調しました。講演は非公開で行われ、内容は日銀のホームページで公表されました。
市場では、日銀が17、18日に開く金融政策決定会合で政策金利を引き上げるとの見方が強まっています。増氏は三菱商事出身で、審議委員として日銀の金融政策の方向性を巡る発言に注目が集まっています。
日銀は前回7月の会合で政策金利を据え置いた一方、今後の利上げ判断を左右する「三つのリスク」として、中東情勢、AI(人工知能)関連需要の動向、為替相場の変動を挙げていました。これらはいずれも経済と物価に影響を与える要因とされています。
増氏は講演で、イラン情勢の混迷に伴う原油高によって物流費が広範囲に上昇する可能性があると指摘しました。その上で「一時的なショックと言うよりも、より基調的なものとして物価を押し上げるのではないかということが懸念される」と述べ、物価上昇への警戒感を示しています。
AI関連需要については「企業業績などとともに物価にも強い上昇圧力を加えている」との認識を示しました。一方でこの需要の高まりが、原油高による悪影響を和らげ「世界経済を支えている要因でもある」とも述べ、「もしこの勢いが止まると影響は大きなものとなる」と、リスクの裏表を指摘しています。
今回の発言は、中東情勢の緊張やAI関連投資の動向、為替相場の変動という複数の不確実要素が絡み合う中で、日銀内部で物価上昇圧力への警戒が強まっていることを示すものといえます。
今後は17、18日に開かれる金融政策決定会合での判断が焦点となります。市場の利上げ観測が強まる中、原油価格や為替相場の動向、AI関連需要の推移が政策判断にどう反映されるか、引き続き注目されます。
