滋賀県、最低賃金引上げ後押しの独自補助金を新設
滋賀県は中小企業の生産性向上と最低賃金引上げを支援するため、国の業務改善助成金に上乗せする独自補助金制度を打ち出しました。上限100万円、補助率50%で申請を受け付けます。
滋賀県は、県内の中小企業等を対象に、生産性向上と最低賃金引上げを後押しする「滋賀県業務改善・賃上げ支援事業補助金」を実施することを明らかにしました。国の「業務改善助成金」に上乗せする形で支援を行う制度で、県内事業者の賃上げ環境の整備を目的としています。
補助対象となるのは、滋賀県内の事業場規模30人未満の事業者です。加えて、国の業務改善助成金について令和8年9月1日以降に滋賀労働局へ交付申請を行い、令和9年2月26日までに交付額の確定を受けていることが条件となります。国の助成制度を活用したうえで、その自己負担分の一部を県が追加で補助する仕組みです。
補助額は、業務改善助成金の対象経費のうち支出済額から国の助成額を除いた自己負担額に対し、補助対象経費の2分の1以内とされています。上限金額は100万円で、経費補助率は50%です。実際の補助額は、業務改善助成金の交付額確定を受けた内容、すなわち申請コースや引上げ対象となった労働者数に応じて定められる仕組みとなっています。
申請方法については、窓口や郵送での受付は行わず、「しがネット受付サービス」を通じたオンライン申請に限定されています。申請期限は令和9年3月5日とされていますが、予算額を超過した場合は期限前であってもその時点で受付を終了するとされており、早めの申請検討が求められそうです。
背景には、全国的な最低賃金引上げの流れの中で、中小企業の負担増への懸念があります。国の業務改善助成金は生産性向上の取り組みと最低賃金引上げをセットで支援する制度ですが、滋賀県は独自の上乗せ補助を用意することで、県内事業者がより取り組みやすい環境を整えようとしているとみられます。同県では、県が発注する契約においても地域経済活性化への配慮を進めており、県内事業者への優先発注に取り組んできた経緯もあります。
県内では甲賀市が独自に「中小企業者等賃上げ環境整備補助金」を設けるなど、市町村レベルでも賃上げ支援の動きが広がっています。県と市町村が重層的に支援策を講じることで、中小企業の賃上げ対応を後押しする狙いがあるとみられます。
今後は、令和9年3月5日の申請期限に向けて、県内中小企業からの活用状況が注目されます。予算枠には限りがあるとされており、対象要件を満たす事業者は早期の情報収集と準備が重要になりそうです。全国的な最低賃金引上げの動きが続く中、こうした地方自治体独自の上乗せ支援策が中小企業の賃上げ対応をどこまで後押しできるか、今後の実施状況が注視されます。
