食料品消費税1%に、外食10%据え置き 飲食店に懸念広がる
飲食料品の消費税が8%から1%へ引き下げられる一方、外食は10%のまま据え置かれることが決まり、飲食業界から不安の声が上がっています。
飲食料品にかかる消費税がこれまでの8%から1%へ引き下げられることが決まりました。家計の負担軽減につながるとして消費者の間では期待が広がっていますが、店内で食事を提供する外食の税率は10%のまま据え置かれることになり、飲食業界からは不安と反発の声が上がっています。
今回の税率変更で焦点となっているのが、スーパーの惣菜やテイクアウトなど「食料品」として扱われる商品と、飲食店での「外食」との税率格差です。惣菜やテイクアウトの税率が1%に下がる一方、店内飲食は10%のままとなるため、価格差を意識した消費者が外食を控え、テイクアウトや中食に流れるのではないかという懸念が出ています。特に中低所得者層が外食を控えることで、大衆的な価格帯の飲食店ほどダメージを受けやすいとの指摘もあります。
もう一つの懸念材料が、飲食店の納税額に関わる「仕入税額控除」の縮小です。一般課税を採用する飲食店は、売上にかかる消費税から食材仕入れにかかった消費税を差し引いて納税額を計算しています。しかし食材の税率が1%に下がることで、差し引ける仕入税額控除の金額自体が小さくなり、結果として納税額が増加する可能性が指摘されています。仕入れ価格が税率引き下げ分だけ正しく下がっていれば実質的な負担増は抑えられるとみられますが、仕入価格や価格転嫁の状況次第では、売上が変わらなくても手元に残る利益が減り、経営を圧迫する恐れがあるとされています。
こうした状況を受け、国民民主党の玉木雄一郎代表は9月3日、自身のYouTubeチャンネルで「食料品消費税1%でうどん屋がつぶれる?」と題した動画を公開し、減税が飲食店経営に与える影響について発信しました。飲食業界では、今回の税制変更が「税率の格差拡大」による外食離れと「仕入税額控除の縮小」による納税負担増という二重の圧力になりかねないとの見方が広がっています。
飲食店を取り巻く経営環境は、もともと原材料費や人件費の高騰で厳しさを増していました。そこに今回の消費減税が重なることで、これまで進めてきた適正な価格転嫁や値上げが一段と難しくなる可能性も指摘されています。政府は事業者への影響を見極めた上で、過去の支援策を参考にした資金繰り支援などの予算措置を検討し、具体的な支援内容を詰めていく方針とされています。
食料品の消費税が1%に引き下げられる一方で外食が10%のまま据え置かれるという税率格差は、消費者の購買行動だけでなく飲食店の経営構造そのものにも影響を及ぼす可能性があります。今後、政府による支援策の具体化や、飲食店側の価格転嫁・業態転換の動きがどのように進むかが、業界の行方を左右するポイントになりそうです。
