半導体株急落、SOXは20%安——安定化には1〜2ヶ月か
フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が高値から約20%下落し、東京市場でも半導体関連株への売りが続いている。市場関係者からは安定化に1〜2ヶ月を要するとの見方が出ている。
世界の半導体株の動向を映す指標とされるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が、直近の高値から約20%下落したことが注目を集めています。国内市場でも東京株式市場で半導体関連株への売りが続いており、大幅な続落となりました。野村證券のストラテジストは、こうした局面における相場の安定化には過去の事例を踏まえると1〜2ヶ月程度の時間を要する傾向があると分析しているとされます。
SOXの20%安という水準は、いわゆる「テクニカルな弱気相場入り」の節目として市場関係者が注視する水準です。AI関連投資への期待が半導体需要を大きく押し上げてきた反動として、投資家心理が慎重化しているとみられます。加えて、米国の金利動向や地政学リスク、企業の設備投資計画の見直しなど複合的な要因が売り圧力につながっているとの指摘があります。
国内では、熊本地震による「シリコンアイランド」への打撃も懸念材料として浮上しています。九州・熊本地区には国内外の半導体関連工場が集積しており、今回の地震の影響で一部工場の再開のめどが立っていない状況です。供給面での不確実性が高まっていることも、投資家の慎重姿勢を強める一因となっています。
一方、市場では今回の半導体株急落の行方を占うヒントとして、約4年前の海運株との比較が話題になっています。海運株はコロナ禍による需要急増と供給制約で急騰した後、需給の正常化とともに大幅に調整した経緯があります。業界関係者の間では、半導体セクターも需要サイクルの踊り場を迎えている可能性があるとの見方が出ており、単純な下落局面とは異なる構造的な変化を見極める必要があるとされています。
ただし、中長期的なAI向け半導体需要の拡大トレンドそのものが崩れたとの見方は現時点では少数派です。データセンターの増設や次世代通信インフラへの投資は引き続き旺盛とみられており、短期的な調整局面を経た後に需要の実態が再評価される可能性も指摘されています。
今後の焦点は、米国の主要半導体メーカーや国内装置・材料メーカーによる決算発表および業績見通しの内容になるとみられます。供給制約の解消状況や、AI投資に対する顧客企業の設備投資計画の変化を確認できるかどうかが、相場の方向性を左右する重要な材料となりそうです。市場関係者の間では、性急な判断を避けつつ個別企業の業績実態を見極める姿勢が重要との声が上がっており、引き続き慎重な動向注視が求められる局面が続きそうです。
