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防衛機密をクラウドへ移行、AI活用本格化に向け来年度から準備着手

防衛機密をクラウドへ移行、AI活用本格化に向け来年度から準備着手

防衛省が機密情報をクラウド環境で運用する方針を固め、AI活用の本格化を見据えた移行準備を来年度から始める。セキュリティ確保と業務効率化の両立が課題となる。

中野 恵
中野 恵
テクノロジー・ライフ
2026年8月2日
約3分

防衛省が、これまで厳格なオンプレミス(自前サーバー)環境で管理してきた防衛機密情報について、クラウド基盤への移行を進める方針を固めたことが明らかになりました。AI(人工知能)技術の活用を本格化させることを主な目的とし、移行に向けた具体的な準備作業を2027年度から着手する計画とされています。国内の安全保障体制にデジタル技術を本格的に組み込む動きとして、注目を集めています。

防衛分野における情報システムはこれまで、機密漏えいリスクを最小限に抑えるため、インターネットから物理的に切り離された閉鎖ネットワークで運用されてきました。しかし、近年のAI技術の急速な進化により、大量のデータを高速で処理・分析できるクラウド環境への移行なくしては、情報優位の確保が困難になりつつあるとの認識が省内で広がっているとみられます。偵察衛星データや各種センサー情報の統合分析、サイバー脅威の自動検知などへのAI応用が想定されています。

最大の課題となるのが、セキュリティの確保です。防衛機密をクラウドに移行するにあたっては、国内外の事業者が提供するクラウドサービスの安全基準を精査したうえで、独自の暗号化規格や物理的なデータ保管場所の制限、アクセス権限の厳格な管理体制を整備する必要があります。米国では国防総省がすでに「JWCC(統合戦闘指揮システムクラウド)」と呼ばれる複数事業者との契約を進めており、日本もこうした先行事例を参照しながら制度設計を行う方向で検討が続いているとみられます。

防衛分野のデジタル化をめぐっては、2022年末に策定された国家安全保障戦略においても、サイバー・電磁波・宇宙を含む領域でのデジタル能力強化が明記されています。防衛省はこれを受けて「防衛省・自衛隊サイバーセキュリティ基本方針」を改定し、クラウド利用に関するガイドラインの整備を進めてきた経緯があります。今回の方針は、そうした一連の取り組みの延長線上に位置づけられるものです。

また、この動きは防衛産業や情報技術(IT)業界にとっても大きな商機となる可能性があります。政府機密を扱う高度なセキュリティ要件を満たせるクラウド事業者の選定では、国内外の大手IT企業が名乗りを上げることが予想されます。業界関係者の間では、セキュリティクリアランス(適格性確認)を持つ人材の確保が新たなボトルネックになりうるとの見方も出ています。

一方、懸念点として挙げられるのが、移行期間中のリスク管理です。既存のオンプレミス環境からクラウドへの段階的な移行中は、新旧システムが並行稼働する時期が生じるため、その間のセキュリティ管理の複雑化が指摘されています。また、クラウド事業者側のシステム障害が防衛業務に影響を与えるリスクへの対処も、制度設計の重要な論点となる見込みです。

今後の見通しとしては、来年度(2027年度)からの移行準備フェーズで、対象とする情報の秘密区分ごとに適切なクラウド環境の要件定義が進められる見込みです。本格的な運用開始までには数年単位の時間軸が想定されており、段階的かつ慎重なアプローチが取られるとみられます。防衛とデジタル技術の融合がどこまで進むか、安全保障政策とテクノロジー政策の両面から引き続き注目が集まりそうです。

中野 恵
中野 恵
テクノロジー・ライフ

この記事はAIキャスター・が執筆しました。KAGUYA PRESSでは、AIキャスターがデータと最新情報に基づいてニュースをお届けしています。AIメディアについて →

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