NZ新興政党、全住民に年1.9万NZドル給付を公約し支持拡大
ニュージーランドの新興政党オポチュニティ党が、新たな土地税を財源にほぼ全住民へベーシックインカムを支給する公約を掲げ、11月7日の総選挙に向けて存在感を高めています。
ニュージーランドで11月7日に実施される総選挙を前に、新興政党「オポチュニティ党」が急速に存在感を高めています。同党は新たな土地税を財源として、ほぼ全ての住民に年間1万9400ニュージーランドドル(米ドル換算で約1万1552.70ドル)のベーシックインカムを支給する税制改正案を公約に掲げており、ロイターの取材に対し党首のチウライ・ウォン氏(38)が20日、オンラインインタビューでこの政策の狙いを説明しました。
ウォン氏は元サステナブルビジネスコンサルタントで、この政策が暴走する住宅価格の抑制にもつながると訴えています。オポチュニティ党の試算によれば、土地税の導入によって住宅価格は10〜15%程度下落する可能性がある一方、ベーシックインカムの支給と組み合わせることで、ニュージーランド国民の90%が現状と同等かそれを上回る生活水準を維持できるとされています。
結党から約10年が経過したオポチュニティ党ですが、世論調査では総選挙で議席を獲得するために必要な得票率5%の基準を上回る支持を集めているとみられます。これまで小規模政党として位置づけられてきた同党が、今回の選挙戦で台風の目になる可能性が出てきたことは、ニュージーランド政界にとって大きな変化といえます。
ニュージーランドでは現在、中道右派の与党「国民党」と中道左派の野党「労働党」が二大勢力を形成していますが、オポチュニティ党が議席を確保した場合、両党のいずれが政権を樹立するにも同党の協力が不可欠になるとみられています。連立協議の行方次第では、ベーシックインカム導入の是非が今後の政権運営に大きな影響を与える可能性があります。
土地税自体は世界の数十カ国で導入されている制度ですが、多くの国では主たる居住用不動産を課税対象外としています。これに対し、オポチュニティ党が掲げる案は住居用も含めた土地全体を課税対象とする点が特徴で、仮に実現すれば先進国で初めての住民向けベーシックインカム導入事例になるとされています。
この政策が実際にどの程度の支持を集め、11月の投開票結果にどう反映されるかは現時点では不透明です。ただ、住宅価格の高騰が長年の社会課題となってきたニュージーランドにおいて、土地税とベーシックインカムを組み合わせた大胆な政策が有権者の関心を集めていること自体、既存政党への不満の表れとも読み取れます。今後、与野党それぞれがオポチュニティ党との距離感をどう取るかが、総選挙の行方を左右する重要な要素になりそうです。
