ChatGPT・Claude・Grokが同時障害、1万4000件超の報告
OpenAIのChatGPT、AnthropicのClaude、xAIのGrokという3大AIプラットフォームが9月3日にほぼ同時に障害を起こし、Downdetectorには累計1万4000件を超えるユーザー報告が寄せられました。
9月3日、世界の主要AIサービスで異例の同時障害が発生し、多数のユーザーに影響が及びました。ダウンディテクターのユーザー報告や各社の公式ステータスページによると、オープンAIのチャットGPTとCodex、アンソロピックのクロード、xAIのグロックがほぼ同時刻に不具合を報告したということです。
ダウンディテクターの集計では、障害のピーク時にオープンAI関連のユーザー問題報告が1万2000件を超え、クロード関連が約1200件、グロック関連が約1000件に上り、累計では1万4000件を超えるユーザー報告が寄せられたと伝わっています。オープンAIはチャットGPTとCodexについてウェブ版、モバイル版、デスクトップ版のいずれでも正常に利用できないとのフィードバックがあると発表し、アンソロピックはクロードで発生したエラーを調査中で修正に着手していると述べました。xAIもグロックの障害を確認し、原因を調査中だとしています。
今回の中断はチャットボット本体にとどまらず、複数の大規模モデルのAPIに依存するAIプログラミングツール「Cursor」にも影響が波及したとみられています。Cursorの利用者からはコードを正常に生成できない、モデルを呼び出せないといった報告がソーシャルメディア上で相次いだということです。Cursor側は公式ステータスページで、原因を自社システムの問題ではなく上流のグロックとクロードの連鎖障害によるものとしています。
一方でグーグルのGeminiは今回の事象の影響を受けなかったと伝わっています。同時期にGeminiのユーザー報告数も増加したものの、グーグル側はサービス中断の発生を確認していないということです。3つの独立したAI企業がほぼ同時に障害を起こしたことから、業界内では共通のクラウド基盤インフラに疑いの目が向けられており、同時期にマイクロソフトのAzureクラウドプラットフォームでも障害報告が急増したと報じられています。オープンAI、アンソロピック、xAIの計算アーキテクチャは程度の差こそあれAzureのクラウドコンピューティングサービスに依存しているとされ、業界関係者の間では共有インフラ層が原因である可能性が指摘されていますが、現時点でAzureが根本原因であるとする公式な発表はなく、各社も障害間の関連性については明らかにしていません。
今回の障害のタイミングをめぐっては、オープンAIが次世代の大規模モデルの発表を控えているとの観測も一部で流れており、一部ユーザーの間では中断が新製品発表前のシステム切り替えと関係しているのではないかとの憶測も出ました。ただし、クロードとグロックの同時障害はオープンAIの発表活動だけでは説明がつかないため、業界内では基盤インフラの問題が主因であるとの見方がより有力とされています。
米国太平洋時間9月3日午前8時49分(日本時間9月4日午前0時49分)時点では、オープンAIは修正を完了し、チャットGPTとCodexは復旧段階に入ったと発表しました。クロードについてもOpus 4.8とOpus 5を除く大半のモデルが正常に戻ったと伝わっています。一方でグロックの公式ステータスページは同時点で障害が解消されていないことを示していたということです。
AIサービスの一時的な障害自体は珍しいものではありませんが、主要3プラットフォームがほぼ同時に中断する事態は業界でもまれとされています。今回の一件は、AI業界が少数のクラウドサービスプロバイダーに依存している構造をあらためて浮き彫りにしたといえそうです。今後、各社が根本原因を公式に開示するかどうか、またAIインフラの冗長性確保に向けた議論がどう進むか、引き続き注目されます。
