ユーロ/円・ポンド/円が軟化、日銀利上げ観測とECB・英GDPが焦点
来週の外国為替市場ではユーロ/円・ポンド/円が日銀の利上げ観測を背景に上値を抑えられる展開が予想され、ECB理事会や英国の経済指標が反発の鍵として注目されています。
2026年9月5日の東京株式市場では、日経平均株価が前日比806.46円高(+1.26%)の65,020.94円で取引を終えました。TOPIXは105.18ptと前日からほぼ横ばいで推移し、ドル円相場は156.22円で推移しています。株式市場が堅調に推移する一方、外国為替市場ではユーロ/円やポンド/円といったクロス円通貨の先行きに注目が集まっており、来週にかけての値動きを占う材料が相次いで公表されています。
外為どっとコム総合研究所が公表した来週の為替見通しによれば、ユーロ/円・ポンド/円ともに日本銀行の利上げ観測が上値を抑える主因になるとの見方が示されています。背景には、日銀関係者から物価の上振れリスクに警戒感を強める発言が相次いだことや、東京都区部の消費者物価指数(CPI)でコア指数が前年比+1.8%、コアコア指数が+2.0%と、いずれも上昇基調を維持したことが挙げられます。基調的な物価の底堅さが意識されたことで、9月の日銀会合における追加利上げの思惑が市場で意識されやすい状況が続いています。
一方、ユーロ側の焦点となるのが欧州中央銀行(ECB)の金融政策です。ECBが公表した議事要旨では、7月の政策金利据え置きについて「引き締め局面の終了」とは位置付けず、インフレ見通しが大きく改善しない限り追加利上げが必要になる可能性が高いとの認識が示されました。市場ではすでに9月の利上げをある程度織り込んでいるとみられ、期待先行では一段の上昇には結びつきにくい局面が続いているとの指摘があります。
英ポンドについては、英中銀(BoE)の早期利上げ観測がやや後退している点が特徴です。インフレ圧力は残るものの、労働市場の弱さを背景に、市場が織り込む利上げ時期は2027年方向へ後ずれしているとみられます。来週は英国側の重要指標がやや少なく、英GDP関連の統計や建設業PMIなど限られた材料に加え、日銀や米雇用統計を受けた円相場の変動がポンド/円の値動きを左右しやすい展開が想定されています。
テクニカル面では、ユーロ/円は184.00〜187.50円のレンジ、ポンド/円は214.00〜218.50円のレンジがそれぞれ来週の予想水準として示されています。ユーロ/円は185円台に位置する100日移動平均線を維持できるかが焦点とされ、これを上回れば7月に付けた高値187.47円が視野に入る一方、184円台前半には200日線・25日線が集中しており、この水準を割り込めば戻り基調の見直しが必要になるとの分析があります。
こうした状況の中、来週は主要7カ国・地域(G20)関連の要人発言や日銀関係者のコメントが、円相場を通じてユーロ/円・ポンド/円双方に影響を与える可能性があります。日銀の植田総裁や高田審議委員などの発言機会が予定されており、9月の利上げ観測が強まるか後退するかによって、両通貨のレンジ形成に変化が生じる展開が想定されます。
今後については、ECBの金融政策スタンスや英国の経済指標の結果次第で、ユーロ/円・ポンド/円ともに戻りを試す展開になるのか、あるいは日銀の利上げ観測を背景に上値の重い展開が続くのか、方向感を見極める必要がありそうです。市場関係者の間では、来週の日銀会合や欧州の物価動向を踏まえ、慎重に相場を見極める姿勢が続くとみられています。
