日米協調介入から1カ月、円相場155~160円台で推移続く
7月31日に実施された日米協調為替介入から1カ月あまりが経過し、米ドル円相場は155~160円レンジでの推移が続いています。野村證券は追加介入や日銀の利上げペース加速など3つの当局対応が今後の焦点になるとの見方を示しました。
日本と米国の両政府は7月31日、円買いの協調為替介入に踏み切りました。2011年以来15年ぶりとなる日米協調介入により、一時163円台まで進んでいた円安米ドル高の流れに歯止めが掛かり、その後の米ドル円相場は155~160円のレンジでの推移が続いています。9月6日時点のUSD/JPYは156.22円となっており、介入後のレンジ内での取引が継続している状況です。
野村證券のチーフ為替ストラテジスト・後藤祐二朗氏は、協調介入後の円相場の行方を占う上で、本邦当局による3つの対応が重要になるとの見方を示しています。具体的には、1)米国を含めた追加的な介入の可能性、2)日本銀行の利上げペース、3)債券市場安定化に向けた対応の3点です。
追加介入を巡っては、ベッセント米財務長官が8月上旬に「日本を支えるために必要なことは何でもする」と発言するなど、米国側の支援姿勢が明確になっています。日米当局は、日本が保有する米国債を担保に米ドルを調達できるFRBの仕組みの活用にも言及しており、米国債市場への影響を抑えつつ介入を持続することが可能な体制が整えられているとみられます。
日銀の金融政策運営に関しても、為替相場との連動を強める姿勢が示されてきました。財務省サイドからは金融政策との緊密な連動を求める発言が出ており、市場では9月の日銀会合での利上げに対する織り込みが進んでいるとされています。従前から日銀は2026年度下期の物価安定目標達成の可能性を意識してきた経緯があり、既往の利上げによる景気下振れリスクが顕在化していない中で、利上げペースの加速は正当化しやすい局面にあるとの指摘もあります。
こうした中、6日の東京株式市場では日経平均株価が前日比806.46円高(+1.26%)の65,020.94円で取引を終えました。TOPIXは105.18ptと前日比横ばいでの推移となっています。為替市場の落ち着きが株式市場にも一定の安心感をもたらした可能性がありますが、この日の株価変動と為替動向との直接的な因果関係については明確ではありません。
協調介入の背景には、円安が日本のインフレ上振れにつながり、日米双方の債券市場を不安定化させることへの警戒があったとみられています。米国側にとっても、円相場の安定は自国の競争力回復や米債市場の安定に資するとの認識があったようです。
今後は、追加介入の有無に加え、日銀が9月会合でどのような判断を示すか、また債券市場の安定化に向けた具体的な対応が取られるかが焦点となります。米ドル円相場が155~160円レンジを維持するか、再び円安方向に振れるかを見極める上で、これら当局の動向が引き続き注目されそうです。
