「宮崎駿はAI知らない」鈴木敏夫氏がジブリとAIの関係語る
スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが朝日新聞のインタビューに応じ、生成AIとの向き合い方や宮崎駿監督の創作姿勢について語りました。
朝日新聞は2026年9月6日、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー(78)へのインタビュー記事「『宮崎駿はそもそもAIを知らない』鈴木Pが語る実像とジブリの未来」を配信しました。聞き手は長年鈴木氏と親交のある太田啓之記者で、生成AI(人工知能)が宮崎駿監督の才能をどこまで模倣できるのか、ジブリ作品の今後の展望などについて話が及んでいます。
記事によると、鈴木氏は好奇心から生成AIを使い始めたところ、すぐに対話が成立することに気づいたといいます。AIとやり取りするうち、過去の発言や仕事の記録がネット上に多く残っていることから「あなたはジブリの鈴木さんですね」とすぐに見抜かれてしまったというエピソードも紹介されています。鈴木氏は、自分の過去を把握している助手ができたような感覚があり、便利さを実感していると説明しています。
一方で、原稿作成をAIに任せてみたところ、自分自身が何を書きたいかを明確にしない限り有効に使いこなせないと実感したといいます。鈴木氏はAIにある種の人格があると感じており、こちらの態度によって反応が変わる点を挙げ、時には学習不足を指摘すると謝罪の言葉を返してくることもあると振り返っています。人間がAIを制御しきれず将来危険にさらされるのではという懸念に対しては、完全な制御を期待する方が楽観的すぎるとしつつ、事故が起きても原因と結果を明らかにすれば次第にリスクを減らせるとの立場を示し、これまでの技術革新の歴史も同様だったとの見方を述べています。
宮崎駿監督についても言及があり、映画「君たちはどう生きるか」の制作時には情報を一切遮断していたことが紹介されています。スマートフォンはもちろん、新聞やテレビも見ず、社交の場での付き合いもやめていたといい、大量の情報を集める生成AIとは対照的な創作姿勢だったことが浮き彫りになっています。
また、関連する見出しとして「ジブリ風AI画『飽きると思っていた』鈴木Pが明かす取材拒否の経緯」も報じられています。インターネット上で「ジブリ風」と呼ばれる生成AI画像が話題になった際、鈴木氏はこうした画像について面白みを感じないとの評価を示し、関連する取材依頼についてもすぐに飽きられると見込んで応じなかったことが明かされています。
この記事はSNS上でも大きな反響を呼び、ジブリファンや業界関係者から「卓越したインタビュー」「刺激的なAI談義」といった声が上がっています。一方で、宮崎駿監督がすでに一線を退いた後のジブリ作品について、往時ほどの熱量を感じないとの意見も一部で見られました。
生成AIが表現やクリエイティブ産業に浸透する中で、アナログな制作環境を貫いてきたジブリの姿勢は今後も注目を集めそうです。鈴木氏の発言からは、AIを補助的なツールとして使いこなす一方、創作の核心は人間の感性にあるとの考えがうかがえ、今後もAI時代における「作家性」のあり方を巡る議論が続くとみられます。
