鈴木敏夫P「ジブリ風AI画は飽きられる」朝日新聞に独占告白
スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが朝日新聞の独占インタビューに応じ、生成AIによる「ジブリ風画像」が話題になった当時に取材を受けなかった理由や、宮崎駿監督の創作手法について語りました。
スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー(78)が、朝日新聞の独占インタビューに応じたことが6日、報じられました。生成AI(人工知能)が生成する「ジブリ風の絵」が一時期ネット上に大量に出回った際、取材依頼が殺到したにもかかわらず応じなかった理由について、鈴木氏が初めて明かした内容として注目を集めています。
記事によると、鈴木氏は当時の心境について「みんなすぐに飽きると思ったのであえて応じなかった。やはりそうなった」と振り返りました。生成AIが作り出すジブリ風の画像やアニメーションについては「多少の知識がある人ならば全部見破る。あんまり意味はないし、おもしろくもない」と、率直な見解を示しています。
インタビューでは、宮崎駿監督の創作手法にも話が及びました。鈴木氏は、AIがネット上の情報を効率よく収集して「最適解」を導き出そうとするのに対し、宮崎監督は映画「君たちはどう生きるか」制作の頃から情報を意図的に遮断して創作に向き合ってきたと説明しています。さらに「宮さん(宮崎監督)はそもそも生成AIを知らない」という事実も明かされ、話題となりました。
インタビューの中では「AIの時代にジブリはどうなっていくと思うか」という問いを生成AIに投げかけた結果も紹介されています。AIは「AI時代のジブリは『人間が作品を作るとはどういうことか』を示す文化的存在になっていく」と回答したとされ、これに対し鈴木氏は「AIもちゃんと考えていますね」と一定の評価を示しました。その上で、宮崎監督の表現については「AIやCGでは再現できない」と言い切ったといいます。
生成AIによる「〇〇風」画像は、著作権やクリエーターの権利をめぐる議論とも絡み、ジブリ作品に限らず多くの分野で社会的な関心を集めてきました。今回のインタビューは、当事者であるスタジオジブリの中枢を長年支えてきた鈴木氏本人が、この現象について公の場で見解を語った点で意義があるといえます。
取材を受けなかった判断の背景には、一時的なブームが沈静化するという鈴木氏なりの見立てがあったことがうかがえます。実際にブームが落ち着いた経緯を踏まえた発言だけに、クリエイティブ業界における生成AIの受け止め方を考える上でも参考になる証言といえそうです。
今後、生成AI技術はさらに高度化していくとみられますが、宮崎監督のように情報を遮断し独自の創作に没頭するスタイルが今後も注目され続けるのか、また鈴木氏が語った「AIには再現できない表現」がどのように評価されていくのか、引き続き業界内外から関心が寄せられそうです。
