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協調為替介入から1カ月、追加介入と日銀利上げ観測が焦点に
速報経済

協調為替介入から1カ月、追加介入と日銀利上げ観測が焦点に

7月31日に実施された日米協調為替介入から1カ月余りが経過し、追加介入の有無や日銀の利上げペース加速、債券市場の安定化策が市場の焦点となっています。

鈴木 凜
鈴木 凜
ニュース・政治・経済
2026年9月7日
約3分

日本と米国の両政府が2026年7月31日に実施した円買いの協調為替介入から、1カ月余りが経過しました。日米協調介入は2011年以来15年ぶりとされ、片山さつき財務相が発表した談話では、米国財務省と協調して円買い介入を実施したことが明らかにされています。市場ではこの介入を境に、円安基調に一定の歯止めがかかったとの見方が広がっていました。

9月7日時点のドル円相場は156.17円で推移しています。介入直後には155~160円のレンジで推移するとの見通しが野村證券のチーフ為替ストラテジスト後藤祐二朗氏らから示されていましたが、足元の水準はこのレンジの下限付近にあり、円高方向への振れがやや続いている状況とみられます。同日の日経平均株価は66,255.44円と前日比で1,234.5円、率にして1.9%の上昇となり、TOPIXは105.18ポイントと前日からほぼ横ばいでした。

野村證券の分析では、今後の円相場の方向性を左右する要素として、1)米国を含めた追加的な介入の可能性、2)日銀の利上げペース、3)債券市場安定化に向けた対応、の3点が挙げられていました。日銀当座預金の動向からは、7月30~31日にかけて累計12兆円程度、8月3日にも2兆円程度の円買い介入が実施された可能性が推計されており、日本が保有する外貨準備は7月末時点で1.287兆米ドル(209兆円)に上るとされています。

米国側の支援姿勢も市場の関心を集めてきました。ベッセント米財務長官は8月上旬、円相場の安定が米国にとっても地域全体にとっても重要だとの認識を示しており、日本を支えるために必要な対応を取る意向を明らかにしていました。日米当局は、日本が保有する米国債を担保に米ドルを調達できるFRBの「FIMAレポ・ファシリティ」の活用にも言及しており、米国債市場への影響を抑えながら介入を継続できる余地があるとの見方が示されています。

日銀の金融政策運営についても、利上げペースの加速観測が強まっていました。市場では9月の利上げ確率が6割程度織り込まれているとの分析が示されており、四半期に一度程度のペースでの利上げ加速が進めば、インフレ上振れリスクの後退や長期・超長期国債の需要増加につながる可能性が指摘されています。日銀は7月の金融政策決定会合で、為替相場の変動を金融緩和度合いの調整材料に加える姿勢を示しており、本邦当局の為替感応度は高まっているとみられます。

一方で、市場の一部には介入の持続性に対する慎重な見方も残っています。IMFの通貨制度分類基準や米国債市場への影響、米国側のユーロ売り余力といった材料が、今後の介入姿勢を左右する可能性があるためです。CFTC(米商品先物取引委員会)が公表したデータでは、非商業部門の円ショートポジションが積み上がっていたことも報告されており、ポジション調整の余地が残っているとの分析もありました。

今後は、追加介入の実施有無に加え、9月の日銀金融政策決定会合における利上げ判断、そして債券市場の安定化に向けた当局対応が引き続き焦点となる見通しです。円安是正が日本のインフレ動向や財政運営に与える影響も含め、市場関係者の間では日米両当局の政策協調がどこまで持続するか、注視する姿勢が続くとみられます。

鈴木 凜
鈴木 凜
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