クアルコムとアマゾンがAI半導体で提携、最大600億ドル規模
米クアルコムは8日、アマゾン・ドット・コムとAIデータセンター向け半導体供給で提携すると発表しました。将来的に最大600億ドル規模の収益が見込まれるとしています。
米半導体大手クアルコムは8日、米アマゾン・ドット・コムとの間で、大規模データセンター向け人工知能(AI)半導体の供給に関する長期的な提携を発表しました。クアルコムには将来的に最大600億ドル(約9兆2000億円)規模の収益が見込まれるとされています。
今回の提携では、AIが回答を導き出す「推論」処理に特化した半導体を両社が協力して開発します。あわせて、半導体の処理を高速化する光接続・光通信技術でも協業し、AIデータセンターにおける帯域幅需要の増大への対応を進めるとしています。クアルコムは半導体設計にとどまらず、アマゾンのクラウド部門であるアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が提供するAIサービスの利用も拡大する方針です。
提携にあたり、クアルコムはアマゾンに対し、新株予約権を最大40億ドル(約6200億円)分付与することも明らかにしました。アマゾンはAI半導体の購入状況に応じて、段階的にクアルコムの株式を取得する権利を得られる仕組みで、半導体の購入規模は最大で600億ドル分になるとされています。
AI向け半導体をめぐっては、生成AIの普及に伴いデータセンターの処理能力や通信帯域への需要が急速に高まっており、各社が供給網の確保や独自チップの開発競争を強めています。クアルコムはこれまでスマートフォン向け半導体を主力としてきましたが、今回の提携はデータセンター向けAI半導体分野への本格参入を印象づける動きといえます。
一方のアマゾンにとっても、AWSが提供するAIサービスの拡充に加え、半導体調達の多様化という観点で意義のある提携とみられます。クアルコムへの出資権利を段階的に取得できる仕組みは、両社の関係を長期的に強化する狙いがあるとみられます。
今後は、共同開発する推論特化型半導体の具体的な供給時期や、光接続技術の実装スケジュールなどが注目されます。AI半導体市場は競争が一段と激しさを増しており、クアルコムとアマゾンの提携が業界全体の勢力図にどのような影響を及ぼすか、引き続き注視されます。
