米国のトランプ大統領は2026年9月14日、自身のSNSで人工知能(AI)やデータセンターに対して「病的な陰謀が進行している」と投稿し、AIの安全性を巡る懸念の高まりに反論しました。ワシントン発の報道によると、トランプ氏はAI開発を抑制すべきではないとの立場を強調したとのことです。
トランプ氏は投稿の中で、AI開発を抑制した場合に喜ぶのは「中国だけだ」と指摘しました。米国と中国の間でAI技術を巡る覇権争いが続く中、規制強化は競争上不利になるとの見方を示した形です。
さらにトランプ氏は、AIを制御するために必要なのは「強くて賢い、知能指数(IQ)の高い大統領」だとの持論を展開しました。規制によってAIをコントロールするのではなく、指導者の資質によって対応すべきだとの考えを改めて示したとみられます。
今回の発言の背景には、AI業界内で安全性への懸念が強まっていることがあります。米AI新興企業アンソロピックのダリオ・アモデイ最高経営責任者は9月12日に公表した論考で、高性能のAIが暴走した場合、6~12か月後にはインターネット全体を乗っ取る恐れがあると警告し、開発の抑制や規制強化を訴えていました。業界を代表する立場の人物からこうした警鐘が鳴らされたことは、規制論議に一定の影響を与えたとみられます。
トランプ政権はこれまでも、AI開発における米国の優位性を維持することを重視する姿勢を示してきました。今回の「病的な陰謀」という強い表現での反論は、規制強化を求める業界内の声に対し、政権として一線を画す姿勢を改めて明確にしたものと受け止められています。
AIの安全性を巡っては、開発企業側からも慎重な意見が出ている一方で、政権側は国際競争力の維持を優先する立場を崩していません。今後、AI規制を巡る議論は米国内でさらに活発化するとみられ、業界関係者や専門家の間で安全性確保と技術開発の両立をどう図るかが引き続き焦点になりそうです。
